天理16強 29年ぶり頂点へ3つの「こえる」戦い最終章

[ 2018年12月31日 09:16 ]

第98回全国高校ラグビー第3日・2回戦   天理43―5岡谷工 ( 2018年12月30日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<天理・岡谷工>前半23分、天理・中山がトライを決める(撮影・大森 寛明)
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 全国優勝6回を誇る天理(奈良)が岡谷工(長野)を43―5で下して、3回戦進出を決めた。「超える」をテーマに掲げるチームは29年ぶりの頂点を目指す。

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 スコア上は危なげのない初戦勝利でも、天理にとってはもろ手を挙げて喜べる内容ではなかった。

 「最初からもっとボールを動かしたかったが、向こうのプレッシャーもあってエラーが多くなった」

 松隈孝照監督は苦笑い交じりに振り返った。前半3分、右ラインアウトからのモール、ラックでゴール前に迫り、最後はプロップ中山が右中間に先制トライ。U17日本代表の2年生は10分、20分、23分にもトライを奪い、前半終了間際のトライを含め前半だけで5トライを挙げた。

 No・8照井主将は「本来は個人の能力ではなく、全員でトライを奪いに行くのがスタイル。でも、中山の存在は大きい」と頼もしい後輩の活躍を喜んだ。ただ、風下でプレーした前半での38得点を考えれば、後半の1トライのみの5点はチームとして物足りない。

 今年のチームのテーマは「こえる」だ。奈良県大会決勝では全国V候補と言われていた御所実を20―5で下し、大きな壁を越えた。小柄な選手が多かったため「肥える」のも目標の一つだった。「朝昼晩の食事と補食のおにぎりの量を増やして」(照井主将)体重アップを図ってきた。次は第95回大会のベスト8を超え、第69回大会以来、7度目の全国制覇を目指す。

 元日の3回戦の相手は中部大春日丘。「次の相手は体も大きい。自分たちのラグビーをしたい」。照井主将はFW平均体重で約9キロ劣る次戦での課題修正に気持ちを切り替えていた。(田中 貴久)

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2018年12月31日のニュース