東洋大エース・山本修二 最初で最後、父に見せる3兄弟“卒業レース”

[ 2018年12月31日 09:30 ]

気合の表情でガッツポーズする山本
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 【箱根に駆ける(4)】東洋大のエース、山本修二(4年)が「3兄弟最後の箱根」に挑む。兄2人も東洋大OBで、7歳上の長男・憲二(マツダ)は3年時に10区区間賞を獲得し、4年時の88回大会では3区2位で総合優勝に貢献。2歳上の次男・信二さんはケガで箱根を走れなかった。1年時から出場してきた三男・修二も今回がラスト。区間エントリーでは補欠登録されたが、往路の2〜4区での起用が有力だ。

 「今年は父が人生で初めて箱根を応援に来てくれる。家族の中ではビッグニュース。まさか、あの父が動くなんて」。父・寛慈さん(56)は幼稚園経営で多忙なこともあり、駅伝やマラソンは“テレビで見る派”。「中学校の時に一度見に来てくれたぐらい。陸上の大会自体、行ったのは1、2回だと思う」。高校時代から活躍してきた憲二のレースに足を運ぶこともなかったが、3兄弟の“箱根卒業レース”となる今回は「最後、応援に行くから」と伝えてきたという。「山本家としても最後のレースなので家族にも成長した姿を見せられたら。ふがいない走りはできない」と表情を引き締めた。

 前回は3日前に足を痛めながら3区で区間賞を獲得し、往路優勝に貢献。だが、右中足骨の疲労骨折が判明して全治2カ月の代償を支払った。まともに練習できるようになったのは7月で、10月の出雲駅伝も11月の全日本大学駅伝も区間3位にとどまった。それでも“故障組”にいた間にフィジカル強化に取り組み、「箱根では前回以上のパフォーマンスができると思う」と手応えをつかんでいる。

 目標は2年連続の区間賞と、3兄弟で憲二しか味わっていない総合優勝。「山本家代表として、監督たちを胴上げできるように最高の結果を残したい」。両親、兄2人と姉の家族6人が久しぶりに顔をそろえるゴールで、東洋大に歓喜をもたらす。

 ◆山本 修二(やまもと・しゅうじ)1996年(平8)8月17日生まれ、広島県呉市出身の22歳。石川・遊学館高3年時に1500メートルでインターハイ出場。箱根駅伝は1年時に8区9位、2年時に2区11位、3年時に3区区間賞。自己ベストは5000メートル13分56秒49、1万メートル28分50秒64、ハーフマラソン1時間2分56秒。1メートル73、56キロ。経済学部4年。卒業後は旭化成に入社予定。

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2018年12月31日のニュース