常翔学園 これが“超高速展開ラグビー”11トライ大勝発進

[ 2018年12月31日 08:04 ]

第98回全国高校ラグビー第3日・2回戦   常翔学園67―0桐生第一 ( 2018年12月30日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<常翔学園・桐生第一>軽快なステップでディフェンスを抜き去る常翔学園・石田(撮影・大森 寛明)
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 シード校が登場し、大阪の最注目選手が大暴れした。Bシード常翔学園(大阪第3)は波状攻撃の連続で11トライを奪い、桐生第一(群馬)に67―0で大勝。高校日本代表候補のNo・8石田吉平(3年)が攻撃の起点になり、テーマに掲げる「超高速展開ラグビー」を実現させた。Aシード大阪桐蔭(大阪第1)は、フランカー奧井章仁(2年)のパワフルランが光り、土佐塾(高知)を86―7で圧倒した。日本航空石川(石川)、佐賀工(佐賀)のBシード2校が敗れた。

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 「超高速展開ラグビー」の看板に偽りなしだ。常翔学園は12―0の前半14分、自陣22メートルライン左側でのスクラムから1プレーでトライを取り切った。No・8石田がサイドアタックで大きく突破。捕まった後にテンポよく右へつながってWTB山川がフィニッシュした。その間21秒。電光石火のアタックだった。

 「初速には自信がある。ボールが出たらゲインを考えていた」

 エースの石田が胸を張る。前半2分は密集から素早く持ち出して先制トライを挙げた。ボールを持っていない時のサポートもずば抜けて速い。「超高速展開」の中心になった。

 背番号8だが、50メートル6秒3の足と切れるステップを持つとあって、FWの型にはまった動きをしない。ボールに近い位置にいて、近場を切り裂く。「相手を混乱させる狙いでNo・8になりました」。

 10月のユース五輪7人制の銅メダリスト。ただし、「外国人に通用しなかった」と満足はしていない。失意の帰国後、筋トレに奮起した。体脂肪を11%から9%に落とし「動きやすくなった」と、スピードが磨かれた。実は、小学生で既に体重が60キロあり、太めの体形から「いじめられていた」という。今、1メートル68、74キロは、全国で最注目選手になった。

 次から次に選手が沸き出る攻撃で11トライを挙げた。初戦で110得点の桐生第一を飲み込み、野上友一監督(60)は「ようやく形になってきた」と目を細めた。今春、「超高速展開」を掲げ、大工大高時代の伝統メニューを復活させた。いずれも基本の徹底。その成果が表れた。

 この試合は立ち見続出の観衆2300人。優勝5回の伝統校の人気は根強い。「縦」にも「横」にもつながる攻撃で、ファンをもっと引き込んでいく。(倉世古 洋平)

<“FW五厘刈りトリオ”チームに勢い!!> ○…FW五厘刈りトリオが大暴れだ。フッカー高井、ロック梁本主将、ロック木戸が丸刈りで登場。次々と突破をして、チームに勢いを呼んだ。パワフルな走りで再三のチャンスメークと1トライを決めた高井は「気合です。最後の花そのなんで切りました」と頭をさすった。ベンチプレス140キロを上げるチーム一の怪力。心身ともに充実している。

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2018年12月31日のニュース