日本とタイの親善試合のはずが…大会成功の裏にあった選手と運営側の“本気”

[ 2018年12月31日 08:30 ]

スタート前に笑顔を見せる畑岡(左)とA・ジュタヌガーン
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 寒空の東京から飛行機で約7時間。12月21日から3日間、連日気温33度以上を記録したタイ・バンコク近郊で行われた「アマタフレンドシップカップ」(アマタスプリングCC)を取材した。日本とタイの親善試合として初めて開催された今大会。その盛り上がりは、想像以上だった。

 まずは選手たち。日本からは畑岡奈紗(19=森ビル)、小祝さくら(20=ニトリ)、原英莉花(19=フリー)の“黄金世代”らが出場。タイからも世界ランク1位のアリヤ・ジュタヌガーン(23)らがそろった。とは言っても、オフシーズンの試合で調整の意味合いが大きいと思っていた。だが、いい意味で裏切られた。両チームともに、本気で勝敗に一喜一憂していたのだ。

 マッチプレー形式で行われたため、自身の試合が終われば練習をしても、体のメンテナンスをしても自由。だが、両チーム選手ともに自身のホールアウト後にもカートに乗り込み、チームメートを応援するためにコースへと戻っていった。3日間とも晴天で、気温は33度以上を記録。屋外に立っているだけで汗がしたたる状況にもかかわらず、だ。その姿に、今大会に勝つことへの執念を感じた。

 試合は、日本はタイに13ポイント対15ポイントで惜しくも敗れた。チーム全員がそろって行われた大会最後の会見では、日本女子アマ、日本ジュニアのアマチュア二冠を誇る吉田優利(18=麗沢高)が、アジアパシフィック女子アマチュア選手権覇者のアタヤ・ティティクル(15)に敗れた試合を振り返って悔し涙を流すシーンが印象的だった。

 そして、大会運営も素晴らしかった。ギャラリープラザでは、飲食コーナーや大会グッズコーナーだけでなく、タイマッサージのコーナーまで設置されていた。さらに日本人来場者にはありがたい両替所まで完備。ツアー競技と遜色ない、環境が整っていた。

 その成果もあり、特に最終日には多くのギャラリーが来場。タイのギャラリーだけでなく、日本人ギャラリーも多く駆けつけていたのもうなずける。畑岡は「初めてのことでスタッフの皆さんも大変だったと思うが、いろいろとサポートしてくれた。このオフのちょうどいい時期に、暖かいタイでゴルフをさせてもらって本当によかった。素晴らしい環境だった」と感謝を口にしていた。

 第1回大会。ティーオフの順番など試行錯誤の部分もあったが、大成功で終えたと言っても過言ではないと思う。ぜひ第2回大会も…と期待をしたい。(ゴルフ担当 記者コラム)

 ▽アマタフレンドシップカップとは 日本、タイチームともに男子6人(アマチュア1人含む)、女子6人(同)による男女混合のマッチプレー形式。午前の部は各ペアが1つのボールを交互に打つフォアサム方式を4試合、午後の部は各ペアがそれぞれのボールでプレーし良い方のスコアを採用するフォアボール方式を4試合行った。ペアリングは両チームの男女キャプテンにより決定され、各部アマチュア選手を最低1人起用する必要がある。最終日のみ個人戦で12試合を実施。各試合とも勝利チームに1ポイント、引き分けの場合には0・5ポイントを分け合う。

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2018年12月31日のニュース