食べて「疲労骨折」を防ごう バランス良く1日3食 ダイエットより体づくりが大事

[ 2018年5月1日 05:45 ]

 疲労骨折や貧血に悩む大人のスポーツ選手は決して少なくない。原因の一つとして、食事の量を十分に取れていないことが挙げられる。たくさんのスポーツ選手を指導する「食のお姉さん」、公認スポーツ栄養士・吉谷佳代さんに「疲労骨折・貧血の予防食」を聞いたぞ。

 「疲労骨折」、「貧血」といったスポーツ選手の症状が問題視されている。陸上・長距離やフィギュアスケートなど、体重を管理する種目に多く、特に女子に目立っている。

 中学、高校、大人でも付きまとうこの障害。数々のスポーツ選手を指導する吉谷さんは、子どもの頃から「しっかり食べる」という意識を持つことが大事だと呼びかけている。

 「1日3食、食事の量をキチンと取りましょう。体重を増やしたくないからと言って、量を減らしてはいけません。特に朝食をしっかり食べましょう。朝の量が少ないと、1日に必要なカロリーに達しない可能性がありますよ」

 疲労骨折や貧血の原因は、休みの少なさ、厳しい練習が原因の一つだと以前はされていた。ところが、今は食事と密接な関係があるということが分かっている。それも、特定の栄養分だけを補うだけでは防げないんだ。

 「カルシウムや鉄分だけを取れば大丈夫というのではなく、全体的にバランス良く食事をすることが大事です。体をいくら休めても、必要な量の食事を取らないと、疲労骨折などは起きますよ」

 「ダイエット」という言葉は、ほとんどのアスリートキッズには不要。むしろ、しっかり食べるぐらいの意識でちょうどいいんだよ。大きくなってからも同じ。男子も女子も、トップレベルになると、体重を維持するためや体を大きくするために、たくさんの食事を取らなければいけない時がやって来る。

 「その時に、いきなり“食べましょう”となっても食べられません。小学生から食べる意識を養いましょう」

 食の細さは、スポーツにおいてマイナス。「質」も大事だけど、「量」も大事。しっかり食べる習慣を今から心がけよう。

 ◆吉谷 佳代(よしたに・かよ) 管理栄養士、日本栄養士会体育協会公認スポーツ栄養士、フードコーディネーター。2001年徳島大医学部栄養学科卒。江崎グリコで健康食品開発やスポーツサプリメントの研究に携わった。現在はフリーランスのスポーツ栄養士として活躍。プロ野球・阪神、バレーボール女子JTなどのトップ選手を手がけるだけでなく、実業団からジュニア選手まで、幅広く栄養指導を行う。

 17年12月発行「スポニチジュニア」より

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