熱中症の予防に、水にもお茶にも塩をひとつまみ ハチミツ入りのドリンクも効果的

[ 2018年5月1日 05:34 ]

 屋外、屋内を問わず、気温が高い中でのスポーツは、熱中症の危険が伴うのはもちろんのこと、バテてしまって試合で力を発揮できない可能性がある。たくさんのスポーツ選手の指導をする「食のお姉さん」、公認スポーツ栄養士吉谷佳代さんに「暑さに負けない水分補給」の方法を聞いたぞ。

 これからの季節で一番怖いのは熱中症だ。これは体の中から汗と一緒に「水分」と「電解質」が失われることで起こる。水、お茶、スポーツ飲料水などたくさんの種類があるけど、水だけだと熱中症予防に不十分だということを君たちには覚えてもらいたい。なぜなら水が補えるのは「水分」だけ。「電解質」を補えず、熱中症を引き起こす危険性があるんだ。どのように水分補給をすればいいのか、食のお姉さんが教えてくれたぞ。

 「電解質を簡単に補えるのは塩です。これを水に入れれば対処できます。緑茶や麦茶にも入れるといいでしょう。分量は、500ミリリットルのペットボトルにひとつまみ程度だと考えてください」

 練習や試合の時に家からお茶などを持って行く時は、あらかじめ塩を入れるようにしよう。では、どれぐらいの量の水分を補えばいいのだろう?

 「1時間に500ミリリットルのペットボトル1本分の水分補給が目安です。小さい子どもには多いかもしれませんが、何回かに分けて飲みましょう。必要な量を取らないと、自覚症状はなくても体のどこかに異常が出てきます。ゼエゼエと呼吸が荒くなったり、ですね」

 ここまでのことはあくまで予防の話。では、試合で暑さに負けずに力を発揮するためにはどうすればいいのだろう。

 「クエン酸、アミノ酸、炭水化物を体に取り入れることです。クエン酸は体の疲労を取り、アミノ酸は筋肉の疲労を防ぐので、足のけいれんなどの予防になります。炭水化物にはバテにくくなる力があります」

 スポーツ用品店や薬局などで売っているサプリメントを水に溶かして飲もう。不足している栄養をうまく補うことができるぞ。もちろん家庭で代用できるものもある。

 「例えば、ハチミツは炭水化物とミネラル、レモンはクエン酸を含んでいます。ミネラルは電解質の一種です。レモンをハチミツに漬けたもの水で薄め、そこに塩を加えれば、手軽なスペシャルドリンクの完成です。これでアミノ酸以外を補えます」

 上手に水分を補給して、暑い夏に活躍しよう!

 ◆吉谷 佳代(よしたに・かよ) 管理栄養士、日本栄養士会体育協会公認スポーツ栄養士、フードコーディネーター。2001年徳島大医学部栄養学科卒。江崎グリコで健康食品開発やスポーツサプリメントの研究に携わった。現在はフリーランスのスポーツ栄養士として活躍。プロ野球・阪神、バレーボール女子JTなどのトップ選手を手がけるだけでなく、実業団からジュニア選手まで、幅広く栄養指導を行う。

 15年7月発行「スポニチジュニア」より

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