怖い「隠れ脱水」 冬でも水分補給を忘れずに ハチミツレモンはスポーツ前にピッタリ

[ 2018年5月1日 05:41 ]

 冬だからといって水分摂取を怠ると、「隠れ脱水」を引き起こす。そこに病気が重なれば、危険な状態につながりかねない怖い症状なんだ。また、寒い時期にスポーツで力を発揮するためにも水分は不可欠。たくさんのスポーツ選手の指導をする「食のお姉さん」、公認スポーツ栄養士・吉谷佳代さんに冬場の水分摂取の方法を聞いたぞ。

 冬だからといって油断は大敵だ。知らないうちに「隠れ脱水」になることがあるんだ。まず、なぜ起こるのか。食のお姉さん、教えてください。

 「夏は汗をかいて水分が追いつかずに脱水症状を起こしますが、冬は乾燥によって体から水分が抜けていきます。汗をかかないのでのどが渇きにくく、水分を取らないことが原因で隠れ脱水を引き起こします」

 隠れ脱水になると気分が悪くなるなどの症状が出る。その状態で病気になると、さらに重い症状になる可能性がある。

 「もともと体の中の水分が少ない状態で、インフルエンザや風邪にかかって下痢や嘔吐をすると、危険な脱水症状になると言われています」

 隠れ脱水は手がカサカサになったり、手足が冷たくなるという形でも体に症状が現れる。対策は一つ。水分を取ることだ。

 「夏場は30分から1時間の間に最低でもコップ1杯以上の水分を取る必要があります。冬でも1日に1リットルを目標に水分を取れば、隠れ脱水は防げるでしょう」

 口に含むものはほうじ茶、ホットミルク、ハチミツレモンやハチミツミカンなどがお勧めだそうだ。ハチミツとミカン、レモンの皮には体を温める効果がある。これらを運動前に飲むことでウオーミングアップの手助けにもなる。

 「暖かいものを飲むことで体が温まりやすくなります。実業団の駅伝の選手は試合前に飲んでいますよ」

 冬場でも適切な水分補給をして、元気いっぱいでいいパフォーマンスを発揮しよう。

 ◆吉谷 佳代(よしたに・かよ) 管理栄養士、日本栄養士会体育協会公認スポーツ栄養士、フードコーディネーター。2001年徳島大医学部栄養学科卒。江崎グリコで健康食品開発やスポーツサプリメントの研究に携わった。現在はフリーランスのスポーツ栄養士として活躍。プロ野球・阪神、バレーボール女子JTなどのトップ選手を手がけるだけでなく、実業団からジュニア選手まで、幅広く栄養指導を行う。

 16年12月発行「スポニチジュニア」より

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