“スポーツ果物”王様はバナナ 季節ごとの旬のフルーツにも運動に適切な栄養分

[ 2018年5月1日 05:44 ]

 果物はおいしいだけではなく、スポーツに必要な栄養分を多く含んでいる。たくさんのスポーツ選手を指導する「食のお姉さん」、公認スポーツ栄養士・吉谷佳代さんに「パフォーマンス向上フルーツ」を聞いたぞ。

 スーパーには色とりどりの果物が並んでいる。それぞれに栄養があるけれど、スポーツと相性がピッタリな「王様」のようなフルーツがあるんだ。吉谷さん、教えてください。

 「バナナです。1年中食べられ、特にお勧めします。試合日の朝食や試合の合間に食べるといいでしょう」

 どんな特徴がありますか?

 「食べてすぐ体を動かすエネルギー源になるだけでなく、長い時間エネルギーとして働いてくれる優れものです。すぐエネルギーになる反面、効果が早く薄れてしまうという果物が多い中で、“早く”“長く”という二つの性質を持つフルーツはバナナぐらいです」

 自動車がガソリンで動くのと同じで、体に入った食べ物がガソリンのような働きをしてアスリートキッズの君たちの体を動かすんだ。バナナの場合、朝に食べれば、午前の練習や試合から力を発揮でき、お昼ぐらいまで体が元気に動くイメージだね。

 「もう一つ、バナナにはすごいパワーがあります。ミネラルを多く含んでいます。ミネラルは汗と一緒に流れ出るので、バナナを食べることで、熱中症の予防になります」

 運動にピッタリな果物は他にもあるよ。

 「実は、旬の果物にはその季節特有の問題を解決する力があります。熱中症が怖い夏には、スイカやナシ。体を冷ます性質があります。ウオーミングアップに時間がかかる冬なら、ミカンやリンゴです。体を温める効果があります」

 “パフォーマンス向上フルーツ”はバナナと旬の果物で決まりだね。

 ◆吉谷 佳代(よしたに・かよ) 管理栄養士、日本栄養士会体育協会公認スポーツ栄養士、フードコーディネーター。2001年徳島大医学部栄養学科卒。江崎グリコで健康食品開発やスポーツサプリメントの研究に携わった。現在はフリーランスのスポーツ栄養士として活躍。プロ野球・阪神、バレーボール女子JTなどのトップ選手を手がけるだけでなく、実業団からジュニア選手まで、幅広く栄養指導を行う。

 17年9月発行「スポニチジュニア」より

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