ヨーグルトやキムチなどの発酵食品、ビタミンACE(エース)で風邪に負けない体を

[ 2018年5月1日 05:01 ]

吉谷佳代さん
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 体調を崩しやすい寒い季節がやってきた。風邪はスポーツ選手の大敵。練習の遅れが生じるのはもちろん、無理をして長引かせたら大変だ。多くのスポーツ選手を指導する“食のお姉さん”、公認スポーツ栄養士の吉谷佳代さんが「風邪に負けない食事」を教えてくれたぞ。

 「ポイントは二つあります。ウイルスを体に侵入させない体をつくること。もう一つは入った時にウイルスをやっつける体をつくることです」

 君たちの知らないところで体は日々、ウイルスとの戦いを繰り広げている。そのウイルスに負けた時に風邪などの症状が出るわけだ。一つめのポイントの予防策を考える上で大事なのは、ウイルスはどこから体内に入ってくるかを知ること。みんなは知っているかな?

 「答えは腸です。だから、腸を強くすればウイルスが体内に侵入しにくくなると言われています。効果的なのは、整腸作用がある発酵食品。ヨーグルト、キムチ、納豆、漬け物などを1食に1品は取るように心がけたいですね。腸を強くする方法はもう一つあります。腸が働くためのエネルギー源となるグルタミンを取ることです。アミノ酸の一種です。海草、大豆、チーズ、魚、肉などに含まれています」

 体のエネルギーになるのは炭水化物が有名だけど、腸が必要とする栄養素は別にあるんだね。予防の次は風邪を引いた時の対処だ。

 「体の中に侵入したウイルスをやっつけるのは、血液中の白血球の仕事です。この白血球を元気付けるために、ビタミンACE(エース)を摂取することが大事です」

 エース。強そうな名前の正体はなんだろう?

 「ビタミンの種類です。“A”はかぼちゃ、ブロッコリー、にんじんなどの緑黄色野菜に含まれています。“C”はミカン、キウイ、柿、ピーマン、大根。“E”はアーモンド、のり、うなぎなどから取れます」

 どれだけバランスよく食事をしても、ご飯を食べる前に絶対に忘れてはいけないことがあるよ。

 「手洗いとうがいをすることが大前提ですよ。うがい薬を持っていない時は、緑茶で代用できます。緑茶に含まれるカテキンには殺菌作用があります」

 バランス良く食事を取って風邪に負けない体をつくろう。



 ◆吉谷 佳代(よしたに・かよ) 管理栄養士、日本栄養士会体育協会公認スポーツ栄養士、フードコーディネーター。2001年徳島大医学部栄養学科卒。江崎グリコで健康食品開発やスポーツサプリメントの研究に携わった。現在はフリーランスのスポーツ栄養士として活躍。プロ野球・阪神、バレーボール女子JTなどのトップ選手を手がけるだけでなく、実業団からジュニア選手まで、幅広く栄養指導を行う。

14年12月発行「スポニチジュニア」より

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