積極展開図るDMMゲームズ CEOが語る面白さのエッセンスは“運”

[ 2018年5月1日 05:30 ]

ジャパンシリーズの展望を語った片岸憲一CEO
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 eスポーツのプロリーグ設立の動きが活発化している。多様な企業が続々と名乗りを上げる中、海外で大人気のゲームタイトルによって積極的な展開を図っているのがDMMGAMES(DMMゲームズ)だ。同社で指揮を執るCEO・片岸憲一氏に展望を語ってもらった。2回に分けて紹介する。

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 DMMゲームズがプロリーグ化に選んだのは、戦場のバトルロワイヤルゲーム「PUBG」。韓国発の同タイトルは17年12月に正式版をリリースし、今年2月現在で全世界での販売本数が早くも3200万本を突破。eスポーツシーンでいま最も熱い注目を集めるタイトルの一つとなっている。同社は今秋からプロリーグ「PUBG JAPAN SERIES(ジャパンシリーズ)」の開催を目指しており、2月から試験リーグもスタートした。片岸氏は「eスポーツは新しい取り組みなので、いろいろ考えることがあります。若いスタッフたちと“頭の体操”をしていますね」と、充実した準備状況を笑顔で語った。

 PUBGでは、100人のプレーヤーたちが孤島を舞台に、ランダムに配置された武器を手に取って最後の一人に生き残るまで戦う。DMMゲームズはスタッフが韓国のイベントを視察し「観戦していて一番面白い」という理由で同タイトルの採用を決めた。面白さのエッセンスは何なのか。自らも熟練プレーヤーである片岸氏は“運”を挙げた。

 「どんなゲームがプロリーグという興行として成立するのか。2つのポイントが重要だと分析しています。一つは観戦する人たちが面白いと感じること。もう一つは弱い人もゲームをやめず、長く遊べる要素があること。PUBGはこの両方を満たしています。具体的に言うとゴルフや麻雀みたいに、勝敗=実力と必ずしもならないビギナーズラックの要素ですね。ゲームを実際に遊ぶ人たちが負けて悔しいとき、“ちょっときょうはツキがなかったな”とか言えることって、大事だと思います(笑い)」

 プレーヤーたちが入手できる武器は30種類以上。ジョークともいえるフライパンから強力なマシンガンまで、攻撃力に非常に幅を持った設定がされている。上級プレーヤーも弱い武器しか入手できないと、強い武器の初心者に簡単に負ける可能性があり、それがゲームを観戦する際の魅力になるという。

「ゲームの腕前=勝敗」に対するアンチテーゼのようなゲームコンセプトに、DMMゲームズは大きなエンターテインメント性を見出している。(続く)

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