Sトラック娘 本番リンクで初滑り、伊藤好感触「日本に近い」

[ 2018年2月5日 05:30 ]

平昌五輪ショートトラック本番会場で氷の感触を確かめる伊藤(手前)
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 9日に開幕する平昌五輪日本選手団の本隊が4日、韓国入りし、ショートトラックの男女の日本代表が即、大会会場の江陵(カンヌン)アイスアリーナで練習をした。3度目の五輪となる女子のレジェンド、伊藤亜由子(31=トヨタ自動車)はアジア向きの氷に好感触。菊池姉妹の三女・悠希(27=ANA)と五女・純礼(22=トヨタ自動車)は、母のエールを背に、この競技の日本勢女子初のメダルを目指す。

 男女のショートトラック代表が全競技の先陣を切って公式練習に臨んだ。午後2時35分に襄陽(ヤンヤン)空港に到着し、選手村へ移動。荷物を置いて、午後7時に会場リンクに上がった。米国、ベルギーの選手とともに1時間、“初滑り”を行った。

 「ドタバタして」と苦笑いしたのは、3度目の五輪となる女子のレジェンド伊藤。荷ほどきが間に合わなかったようで、会場入り後にスケート靴をスタッフに届けてもらうほどの慌ただしさだった。

 即練習の狙いは主に2つ。氷の感触を確かめることと、午後7時試合開始の“平昌五輪スケジュール”に合わせること。さっそくリンクの状態を確認でき、選手の表情は明るい。男女ともに同じような感想を口にした。

 「(ブレードに)引っかかる氷…」

 この氷の状態を、伊藤は「アジア圏が有利。高速リンクではない。日本に近い」と前向きに捉えた。感覚的なもので「言葉にするのは難しい」と困り顔ながらも、「ソチは重くて滑らせるのが難しかった」と、前回との違いを説明した。

 菊池姉妹の三女・悠希は「コントロールは難しいけど、それができれば伸びる」と手応えを口にした。今大会に菊池家から五女の純礼、スピードスケートの次女・彩花の3人が出る。この日、日本をたつ前の3人に母・初恵さん(55)から「思い切っていけ」というメッセージがスマートフォンに届いた。

 「現地で待っています」と素っ気なく返したというエースの純礼ながら、それは照れ隠し。紫色が基調の会場に足を踏み入れ「五輪はこういう感じなんだ」と気持ちは高まっている。女子は初日の10日に500メートルと3000メートルリレーがある。外の気温は氷点下7度だったが、熱のこもった練習で最初の一歩をしるした。

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