イーグルスのスーパーボウル初優勝でフィラデルフィア歓喜 呪い封じが成功?

[ 2018年2月5日 16:44 ]

歓喜するフィラデルフィア市民(AP)
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 スーパーボウルでイーグルスの優勝が決まると、ミネアポリスから1600キロ離れた地元のフィラデルフィア(ペンシルベニア州)では市民が歓喜。トラックの上や街灯に興奮したファンがよじ登り、数万人が路上に繰り出して大騒ぎとなった。

 イーグルスが最後に優勝したのはスーパーボウルが始まる前の1960年(NFL選手権)。フィラデルフィアには北米4大スポーツのすべてのチーム(大リーグ=フィリーズ、NBA=76ers、NHL=フライヤーズ)が本拠を置いているが、最後にリーグの頂点に立ったのは2008年のフィリーズ(大リーグ)とあって、久々の“世界一”に市内は明け方まで大勢の人が歓声を上げていた。

 フィラデルフィアには「ウィリアム・ペンの呪い」というものがあった。英国のウィリアム・ペンは17世紀にフィラデルフィアという町を作った人物。だから市庁舎の頂上には彼の銅像がそそり立っている。そしていつしか「銅像より高い建物を市内に造ってはいけない」という紳士協定ができあがった。

 その不文律?が破られたのは1987年。ホテルや商業施設そして住居などが入った複合ビルの「ワン・リバティ・プレイス」が完成したときだった。63階建てで高さは288メートル。市庁舎のはるか上に屋上はあった。ところがこれ以降、フィラデルフィアのスポーツチームは優勝から見離されたのである。

 そして2007年にこのビルの屋上に「ビリー・ペン」のレプリカの銅像が設置された。すると翌年にフィリーズがワールドシリーズを制覇。ついにフィラデルフィア市民は問題を解決する方法を見つけたのだった。

 しかし2008年6月6日。なんと「ワン・リバティ・プレイス」より54メートル高い「コムキャスト・センター」が完成してしまったのだ。

 そして再び「呪い」がかけられ?フィラデルフィアの各チームは苦闘。これに終止符を打とうとしたのが「コムキャスト・センター」を建設したL・F・ドリスコル社で現場監督補佐を務めているイライアス・チョキフさんで、昨年の11月27日、このビルの最上階によじ登って鉄骨の梁(はり)の上に再びウィリアム・ペンのフィギュアを置いてきたのだった。

 イーグルスはエースQBカーソン・ウェンツ(25歳)を膝の故障で失いながら、それまで控えだったニック・フォールズ(29歳)がプレーオフに入って大活躍。呪いは見事に解かれ?そのフォールズがスーパーボウルのMVPになるという劇的な展開となった。

 AP通信によれば、市内の大通りに繰り出したたルー・ポーテルさん(66歳)は「イーグルスが勝って当然。ここは偉大な町なんだ」と胸を張り大興奮。フィラデルフィア市民にとってはそれぞれが「人生最良の日」となっていた。

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