大ケガにも心折れず…奇跡の復活 三沢拓 4大会連続パラ代表なるか

[ 2018年2月5日 11:55 ]

左足骨折の大けがから復活を遂げた三沢
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 平昌冬季五輪の注目度合いが高まる一方で、パラアスリートの祭典、平昌冬季パラリンピック開幕まで約1カ月となった。その平昌大会にぎりぎりで代表に滑り込みそうなのが3大会連続出場の三沢拓(31=SMBC日興証券)だ。三沢は昨年末のW杯で負った左足骨折の大けがから奇跡的な復活を遂げ、今月の国内大会で代表入りへ猛烈アピール。「平昌のイメージは(昨年の)プレ大会でよかった。いいイメージで臨みたい」と4度目の大舞台を見据えている。

 普通なら諦めそうな大けがにも、三沢の心は折れなかった。「4年間続けてきたものを、すぐに諦められるかといったらそういうわけにはいかない」という言葉から、パラリンピックに懸けるアスリートの魂を感じた。

 2月3、4日に長野で行われたジャパンパラスキー大会。男子立位で並々ならぬ決意を秘めてスタート台に立っていたのは他でもない三沢だった。W杯などでポイントを獲っていなかったため、日本代表の一次発表に名前は載らなかったが、この大会でしっかりとポイントを獲ることで代表入りに一歩近付く。「1月下旬はけがする前とおなじフィジカルメニューをしていた。フィジカルしっかりすれば雪上でもしっかりできるとは思っていた」と今大会の立位で復活を印象付ける優勝を果たし、代表入りへ大きな成果を残した。

 志渡一志ヘッドコーチによると「(代表に選ばれるには)三沢はIPC(国際パラリンピック委員会)の規定条件にあるシーズン中のレースポイントを獲得しなければいけないという規定はクリアした。(代表招集は)オフィシャルのものではなく、条件を一つクリアしただけ」というが、追加招集されることはほぼ確実。三沢も「基準はクリアした。いけない理由がぼくには見当たらない」と力強い。

 長野出身の三沢が、地元開催の大会で代表入りに近付いたのも何かの縁かもしれない。頼れる男が戦線に復帰してくることで日本チームにも勢いが出てきそうだ。(河西 崇)

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