【荻原次晴の目】暁斗「金の鍵はジャンプ」再確認、ミスが命取りに

[ 2018年2月5日 08:30 ]

ノルディックスキー複合W杯個人第14戦 ( 2018年2月4日    長野県・白馬ジャンプ競技場、ヒルサイズ=HS134メートル、距離10キロ )

W杯複合白馬大会最終日 後半距離で、ゴール前の競り合いを制し3位に入った渡部暁(左)
Photo By 共同

 最近は独走の展開が多かった分、少しのミスでこうなるんだと暁斗自身も改めて分かったのではないか。そのミスはジャンプ。テークオフのタイミングが明らかに早かった。何試合も戦っていれば時に失敗もあるが、五輪金メダルやW杯総合優勝にはそれが命取りになる。後半距離で一緒に走って最後のスパート勝負になれば、シュミット以外にも暁斗を上回る選手はいる。金メダルの鍵はジャンプということが改めて確認できた。

 前向きに捉えるなら、いいジャンプを続けてきた状況で自分のミスの形を確認できたことだろう。地元の白馬で調整し、ジャンプの確率を高めていく時間もある。気がかりなのは平昌のジャンプ台は風が強いこと。ウインドファクター(風速に応じて得点を加減する)があるとはいえ、良い風がもらえないと今日のような混戦の展開になりかねない。ルゼックら今季ジャンプが不調のドイツ勢も自国で修正してくるはず。五輪では暁斗、シュミットに加え今大会に出ていなかったドイツ勢も怖い存在になりそうだ。(95年世界選手権団体金メダリスト、98年長野五輪代表)

続きを表示

2018年2月5日のニュース