松山&遼を支えた2人の同級生キャディー 次回こそは世界一に

[ 2016年12月14日 08:45 ]

ティーショットを放つ松山(左は石川遼)
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 【福永稔彦のアンプレアブル】11月にオーストラリアで開催されたゴルフの国・地域別対抗戦「ISPSハンダW杯」は松山英樹(24=LEXUS)と石川遼(25=CASIO)がペアを組んで日本代表として出場したことで注目が集まった。順位は6位。ただ戦いぶりは次回大会に期待を抱かせるものだった。

 2人のキャディーにとっても意義深い大会になった。松山のバッグを担ぐ進藤大典キャディー、石川をサポートする佐藤賢和キャディーはともに1980年生まれで東北福祉大ゴルフ部の同期。大学時代は宮里優作、岩田寛らと切磋琢磨した。

 その2人がプロキャディーとして世界一を争う舞台で同じチームの一員として戦った。最終ラウンド後、進藤キャディーは「終わっちゃったなという感じです」と名残惜しそうにつぶやいた。いかに充実した1週間だったかがうかがえた。

 2人の仕事ぶりをつぶさに見る機会があった。開幕前日のプロアマ戦終了後。強い風が吹き雨が降り続く中、2人はコースに飛び出した。

 ティーグラウンドからハザードまでの距離、第2打地点からグリーンエッジまでの距離など基本的な情報はヤーデージブックを見れば分かる。しかし本番ではヤーデージブックでは分からない情報が必要になる。

 2人はさまざまなケースを想定し、情報を収集した。第2打地点から何ヤードでバンカーを越えるか。進藤キャディーがバンカーの縁に立ち、第2打地点から佐藤キャディーがレーザー測定器で距離を測る。

 ドッグレッグホールでは右サイドと左サイドではピンまでの距離が違う。佐藤キャディーは右サイド、中央、左サイドから正確な距離を測る。

 グリーンではボールを転がして傾斜を確認。ブラインドホールではどれくらい曲がるとハザードに入るかをチェック。雨に濡れながら約3時間かけて作業を行った。

 佐藤キャディーは「2人でやると2倍の情報が得られるんです」と言いながらメモにペンを走らせた。プレーに直接関係のない情報も重要。「トイレがどこにあるか、クラブハウスのどこに行けば食事ができるか。そういうことも確認します」(佐藤キャディー)。

 進藤キャディーは「事前に情報を用意しておけば選手を待たせないで済む。選手にストレスを感じさせないことが重要なんです」と話した。変な話だが、試合中、松山や石川がトイレに走るたびに2人のキャディーの地道な努力が生かされていることを感じた。

 お互いのキャラクターについて聞いた。佐藤キャディーは「まじめで本当に細かい。僕はあそこまで細かくチェックできない」と評し、進藤キャディーは「明るくて雰囲気をつくるのがうまい。仕事は本当にまじめ」とうなずく。それぞれが1人のキャディーとしてリスペクトしている。

 「いつかまた同じチームでやりたい」。2人のキャディーは異口同音に言った。また日の丸の付いたキャディーバッグを担いでほしい。そして次回こそは世界一になってほしい。1人の日本人としてそう思った。(専門委員)

 ◆福永 稔彦(ふくなが・としひこ)1965年、宮崎県生まれ。宮崎・日向高時代は野球部。立大卒。Jリーグが発足した92年から04年までサッカーを担当。一般スポーツデスクなどを経て、15年からゴルフ担当。ゴルフ歴は20年以上。1度だけ70台をマークしたことがある。

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