錦織が松山に抱いたシンパシー 競技は違えど目指すのはともに“世界の頂点”

[ 2016年12月14日 11:10 ]

フジテレビ特番「世界力」の番組会見で渡辺謙(中)から肩を抱かれる錦織(左)と松山
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 7月のウィンブルドン。ケガで途中棄権を余儀なくされた錦織圭は、試合後の記者会見でこんなことを言った。

 今後の試合や五輪について尋ねられてのことだ。

 「オリンピックももちろんありますし。松山君が出ないというので、ちょっと僕もあんまり出たくなくなった。会えるのを楽しみにしていたので。でも夏は大変なので、それに向けて準備はしっかりしたいと思います」

 体に痛みを抱え、気持ちに余裕がないはずの状況で、なぜか松山英樹の名前を口にしたのだった。

 テニスとゴルフ。個人で戦うプロスポーツであり、いずれも4つの大会を頂点にした世界規模のツアーを持つ。錦織はグランドスラム、松山は4大メジャーで日本男子初の優勝を期待されている。似たような立場にあるものとして、錦織はある種のシンパシーを抱いていたようだ。

 日本が世界に誇るトップアスリート。この2人が今月9日、年末特番の収録で初対面を果たした。

 番組のオファーを受けた時点で松山の世界ランキングはまだ15位前後。少し気が引ける部分があったようだが、年末にかけての大活躍で収録時には6位まで上昇。錦織の5位にあと一歩まで迫ったことで松山は安堵した様子だった。

 ただし、ランキングの推移を比べれば錦織に一日の長がある。

 錦織がトップ10入りを果たしたのは14年5月。アジア勢初の4大大会決勝進出を果たした同年9月の全米オープン以降は一桁順位を守り続け、最高4位を記録している。松山はまだ今年10月に初めてトップ10入りしたばかり。錦織が「居心地が悪い」と語っていたトップ10やトップ5の有象無象の“圧力”というのを今後、感じることがあるかもしれない。

 もっとも国内外で5戦4勝という最近の松山には、そうした壁を一気に突き破ってしまいそうな勢いがある。特に10月のHSBCチャンピオンズでは2位に7打差をつけ、アジア勢初の世界選手権シリーズ(WGC)制覇を成し遂げた。4大メジャーに次ぐ格付けでランキング上位選手が集うWGCは、テニスで言えば4大大会に次ぐマスターズ大会と同等。この2年間、錦織が目標に掲げ、いまだ届いていないのが年間9大会あるマスターズ大会での優勝である。ビッグタイトルを勝ち取った自信は松山の方が大きいと言えそうだ。

 錦織が先か、松山が先か。まずは錦織が1月の全豪オープンに挑み、4月には松山のマスターズが待っている。

 もちろん異なる競技の2人を比較するのは無理があるだろう。だが、そうした想像をかき立ててくれるアスリートがいるからこそ、2017年のスポーツ界への期待も大きく膨らむのである。(雨宮 圭吾)

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