磐城 震災乗り越え花園へ「県民に勇気を与えられるようなプレーを」

[ 2011年11月12日 17:58 ]

全国高校ラグビー福島大会を制して花園出場を決め、駆けだす磐城高フィフティーン

 第91回全国高校ラグビー大会(12月27日開幕)の出場校を決める地方大会は12日、東日本大震災で被災した福島の決勝がいわき市のいわきグリーンフィールドで行われ、磐城高が学法福島高を57―14で破った。3年連続17度目の花園出場に、渡辺慧主将(17)は「ラグビーができないんじゃないかと思うこともあった。本当にうれしい」と優勝の喜びに浸った。

 磐城高は部員の自宅が津波で浸水するなど、震災の被害に苦しんだ。東京電力福島第1原発事故の影響もあり、全員がそろって屋外での通常練習を再開できたのは5月上旬。坂本幸司監督(47)は当初の練習を「(選手は)顔がこわばって笑顔も言葉もなかった。大変な生活を送っていたと思う」と振り返る。

 だが、仲間とラグビーに打ち込む時間が増すにつれ、表情も和らいでいったという。渡辺主将は「全員でラグビーをできる喜びがあった。つらいときもあったけど、練習が実を結んだ」と話す。

 来月には福島代表として全国の舞台に立つ。渡辺主将は「みんなに支えられているという思いがある。福島県民に勇気を与えられるようなプレーをしたい」と誓った。

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2011年11月12日のニュース