春場所ついに中止!65年ぶり 協会13億円の損失

[ 2011年2月6日 06:00 ]

大阪府立体育会館の前に掲示された大相撲大阪場所のチケット発売延期を知らせる張り紙

 日本相撲協会が3月13日 に初日を迎える春場所(大阪府立体育会館)を中止する方針を固めたことが5日、明らかになった。6日の臨時理事会で正式決定する。八百長疑惑による社会への影響を考慮したもので、中止となれば1946年夏場所以来65年ぶり2度目。

 15日間にわたる本場所の全面中止で相撲協会は約7億円の入場料収入や放映権料など、約13億円の損失となる。

 放駒理事長(元大関・魁傑)が苦渋の決断を下すことになった。

 相撲協会は八百長メール問題が表面化したことを受けて開いた2日の緊急理事会の時点では、春場所を開催する意向を確認していた。だが、特別調査委員会の調査が長期化の様相を呈するなど先行きが見えない状況に陥ったことから、調査未了のまま開催するのは困難との意見が複数の理事から続出。6日に予定されていた春場所のチケット販売開始を延期すると前日4日に発表したばかりだが、社会問題に発展した影響を考慮し、放駒理事長は中止を決断。6日の臨時理事会で正式決定する。

 中止となれば、戦争で被災した国技館の修復遅れを理由に中止した1946年夏場所以来65年ぶり2度目。不祥事による中止は初めてで、15日間の興行中止に伴う損失は莫大(ばくだい)なものとなる。春場所を開催すれば、約5億円のNHKの放映権料や、約7億2000万円の入場料収入などが見込めたが、中止となれば広告料などを合わせた損失額は約13億円に及ぶとみられる。また、チケット販売を手掛ける相撲案内所の損失約5億円を補てんすることになれば、合計で18億円を上回ることになる。

 文部科学省からは「八百長の広がりも問題だが、それよりも相撲協会がどんな善後策を打ち出すのかが大事」と警告を受けており、今後、八百長問題の全容解明に全力で取り組むのは協会の使命でもある。だが、調査段階で新たな関与者が出たり、うやむやな調査結果しか出せない事態となれば、再び相撲協会の存続問題が取りざたされるのは必至。春場所中止はまだ第1段階。土俵でファンを欺いた代償は、あまりにも大きい。

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