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青森山田・黒田監督 来季J2町田の監督へ!J1昇格へサプライズ人事

[ 2022年10月12日 04:00 ]

J2町田の来季監督に就任することが濃厚となった青森山田の黒田監督
Photo By スポニチ

 J2町田の来季監督に、全国高校選手権を3度制した青森山田の黒田剛監督(52)の就任が濃厚となっていることが11日までに分かった。町田はJ1参入プレーオフ圏内の6位以上の可能性が消滅した9月末に、ポポヴィッチ監督の今季限りの退任を発表。後任人事に着手した中で、育成や戦術眼に定評のある高校サッカー界屈指の名将に託すことにしたという。

 黒田監督は95年に青森山田の監督に就任。持ち前の統率力を発揮し、全国屈指の強豪校に育て上げた。全国高校選手権は25大会連続出場中で、優勝は16、18、21年度と3度達成。スペイン2部レガネスの日本代表MF柴崎岳(30)をはじめ、高卒1年目で定位置を奪取したFC東京のU―21日本代表MF松木玖生(くりゅう、19)ら多くのJリーガーを育てたことでも知られる。

 町田は18年10月に大手IT企業サイバーエージェントが経営権を取得し、19年にはJ1ライセンスも取得。20年には11年にチームをJ2昇格へと導き、かつてFC東京なども率いたポポヴィッチ監督を再招へいした。だが成績は振るわず、今季も22チーム中13位と低迷。来季での巻き返しへ、サプライズ人事を発動させた形だ。

 過去に高校サッカー界からJクラブに移籍したケースは、市船橋の布啓一郎氏や滝川二の黒田和生氏らがいるが、いきなりJクラブの指揮官就任となると異例中の異例だ。黒田監督は06年にJクラブで指揮が可能な日本協会公認S級コーチライセンスを取得済みで、就任に支障はない。関係者によれば、黒田監督も新たな挑戦へ向け既に闘志を燃やしているという。実現すれば、12月28日開幕の第101回全国高校選手権を最後に、戦いの場をプロの舞台に移すことになる。

 ◇黒田 剛(くろだ・ごう)1970年(昭45)5月26日生まれ、札幌市出身の52歳。登別大谷(現北海道大谷室蘭)から大体大へ進学。卒業後の93年から指導者の道に進み、星野リゾートのコーチなどを経て、94年に青森山田のコーチに就任。翌年に監督に昇格した。05年に全国総体で初優勝に導き、16年度に全国高校選手権を初制覇した。

 《高校サッカー界からの転身》☆黒田和生 84~07年に滝川二(兵庫)の監督を務め、全国選手権で3度のベスト4など強豪校に育て上げた。07年に神戸の普及育成事業本部長、09年に神戸U―18の監督就任。台湾U―18代表監督などを経て、16~17年は同国A代表も指揮した。

 ☆布啓一郎 84~02年に市船橋(千葉)の監督を務め、全国高校選手権を4度制覇。その後、U―16やU―19日本代表監督に就任。J2岡山のコーチを経て、17年にJ2群馬、20年にJ2松本、21年5月にJ3今治の監督に就任。現在は関東1部VONDS市原の監督を務めている。

 ☆佐熊裕和 86~13年に桐光学園(神奈川)の監督を務め、96年度の全国高校選手権ではJ2横浜FCの元日本代表MF中村俊輔を擁して準優勝。13年に中国3部クラブを指導し、14年からは新潟と提携関係にある新潟医療福祉大の監督を務めている。

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