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大院大サッカー部・実好礼忠監督 指導者であり教育者「未来のある子を育てていきたい」

[ 2022年10月12日 07:30 ]

大院大で指揮を執る実好礼忠監督

 【スポニチ蹴球部コラム Footひと息】サッカーの話題を硬軟織り交ぜて届ける、スポニチ蹴球部コラム「Foot(ふっと)ひと息」がスタート。第1回は京都や愛媛のJクラブで指揮を執り、今季から大院大(関西学生1部)を指導する実好礼忠監督(49、写真)の新たな挑戦にスポットを当てる。

 大学サッカー初指導ながら総理大臣杯で準優勝。駒大や明大など関東の強豪を破った。実好監督は「今は関西大学1部でなかなか勝ててないけど」と笑うものの「基本的に明るい子が多く、勢いに乗ることができた」と学生の持つ無限のポテンシャルに目を細めた。

 20年にはJ2京都(当時)で指揮を執り8位。昨年はシーズン途中からJ2愛媛(当時)の監督を務めた。退任後は「浪人してサッカーを勉強しよう」と考えていたところ、大院大で監督を務めないかという話が届いた。08年に指導者の道を歩み始めてからG大阪や名古屋を含めてJクラブ一筋。周囲に相談すると「大学サッカーは難しくて、とてもおもしろいカテゴリー」と背中を押された。

 Jリーグを目指す子がいれば、そうではない子もいる。5軍まであるチームで上を目指す子がいれば、違う分野に興味を持つ子も。いろんな考えを持った学生たちの「個々が持つ熱量を見極め、バランスを取るのは難しい」と実好監督。ただ、プロ志向の選手だけを引き上げることはしないと心がけている。

 午前2回と夕方の計3回に分かれた練習に全て参加し、全部員220人と会話しようと努める。全員の顔と名前、プレースタイルは頭の中で一致している。朝5時過ぎに起床して夜8時過ぎに解放されるハードな日々だが、指導者とは違う“教育者”としての顔も大事にしたいと考えるから苦にならない。

 「J1とかJ3とかカテゴリーは関係ない。指導者として、シッカリしたものを表現できれば良い。大院大のサッカーとは何かを示したいし、未来のある子を育てていきたい」

 グラウンドは従来の部専用に加え、今年新設されたものがある。学生を含めスタッフのサポートも手厚い。耕す畑は異なっても、サッカーはサッカー。発展に貢献したい気持ちは強い。一人でも多くプロ選手を輩出し、一人でも多く社会に貢献できる人材を送り出すことに、まい進する。(飯間 健)

 ◇実好 礼忠(さねよし・のりただ) 1972年(昭47)10月19日生まれ、愛媛県南宇和郡愛南町出身の49歳。南宇和―立命大を経て95年に入団したG大阪一筋で13年間プレー。08年のG大阪ユースコーチに始まりG大阪U―23やJ2京都、J2愛媛を率いた。22年1月から現職。

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2022年10月12日のニュース