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麻也“背負いすぎた”主将の重責果たした CB日本歴代最多Aマッチ56試合完封

[ 2022年3月25日 05:30 ]

カタールW杯アジア最終予選B組   日本2ー0オーストラリア ( 2022年3月24日    シドニー )

<日本・オーストラリア>W杯を決め喜ぶ吉田(中央)ら日本代表イレブン(撮影・小海途 良幹)
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 両手を固く握りしめて、空に向かって雄叫びを上げた。「ホッとしている。これで取りあえず代表でまだプレーできるなと思いました」。主将の重責を果たした吉田の目には、光るモノがあった。

 カタールへの道も涙から始まった。18年7月3日、W杯ロシア大会の戦いが終わった翌日だ。長らく主将としてけん引した長谷部誠が代表引退を表明。そのバトンを受け継ぎ「自分はどうあがいても長谷部誠にはなれない。自分のスタイルで代表を引っ張っていく」と瞳を赤くして決意表明した。

 試行錯誤の連続だった。19年アジア杯では決勝戦前の“緩んだ雰囲気”を御しきれずに後悔した。コロナ禍で国際試合ができなくなると「日本サッカーのガラパゴス化が進んでしまう」と危機感を口にした。サウジアラビアに敗れた昨年10月には「W杯を逃せば代表を引退する」と発言。「周囲からは“背負いすぎ”とも言われましたが…」と笑うが、それまでの三枚目のキャラではなく闘将として先頭に立ってきた。

 4カ月ぶりの代表復帰となったこの日の大一番でも絶大な存在感を発揮した。W杯アジア最終予選の敵地オーストラリア戦で初のシャットアウト。中沢佑二を抜き、日本のセンターバック歴代最多国際Aマッチ56試合完封の勲章に加え、W杯最終予選最長の5試合連続無失点となった。

 「緊張感、競争力を維持しながら11月まで進んでいきたい」

 この試合はくしくも、長谷部に並ぶ日本歴代6位の国際Aマッチ通算114試合目出場。もはや前任者と比較する必要はない。頼れる主将は左腕に日の丸の腕章を巻き、カタールのピッチに立つ。

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