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鹿島・優磨 J1出場100試合目で決めた一発!特別な3・11「思いのある日。何としても勝ちたかった」

[ 2022年3月12日 05:30 ]

明治安田生命J1第4節   鹿島2ー0神戸 ( 2022年3月11日    ノエスタ )

後半、追加点を決め岩政監督代行と抱き合う鹿島・鈴木 (撮影・後藤 大輝)
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 明治安田生命J1リーグは1試合が行われ、東日本大震災から11年となる節目の試合で、鹿島が神戸を2―0で下した。1―0で迎えた後半9分、約2年半ぶりに鹿島に復帰し、この試合でJ1通算100試合出場のFW鈴木優磨(25)が今季2点目となるゴールを決め、自らの記録に花を添えた。2連勝で鹿島は暫定3位に浮上。神戸は開幕6戦勝ちなしでクラブワースト記録を更新した。

 試合前日に3人の陽性者が確認されたコロナ下の「3・11」を今季ベルギーから復帰したエースの力で乗り切った。

 後半9分、FW上田が頭で落としたボールに、被災した鹿島でユースから育ったFW鈴木が反応。ペナルティーエリア外から放った強烈なミドルシュートは、GKの手をはじいてゴールに突き刺さった。ゴール後はベンチに誰よりも先に駆け寄り「(東日本大震災では)鹿島も大きなダメージを受けた。僕自身にとっても思いのある日。何としても勝ちたかった」。特別な日を最高のゴールで演出した。

 11年前のこの日。鈴木は鹿島のジュニアユースに所属していた。「中学2年生だった。初めて大きな地震を経験し、自分自身もどこまでやばいのか把握できていなかった」。本拠地の鹿嶋市も大きな被害を受けた。同市の避難者は約5900人を数え、カシマスタジアムも損壊。「普段のサッカーができるまで相当時間がかかった」

 トップチームが本拠で再び試合ができるまでには101日を要した。復興までの苦労を肌で感じてきただけに「健康でサッカーができるというのは当たり前じゃないことは常に言い聞かせている」と試合に臨む心境を明かした。

 神戸戦にはW杯アジア最終予選の2連戦(24日オーストラリア戦、29日ベトナム戦)に臨む日本代表・森保一監督(53)も視察に訪れた。激しいプレースタイルには賛否両論あり、この日もSNSで「鈴木優磨」がトレンド入りし「良くも悪くも入る。慣れています」と不敵に笑う。ただ、復興の道を歩んできたチーム同士の一戦で見せた一撃は、日の丸への強烈アピールにもなったはずだ。 

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2022年3月12日のニュース