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ロシア侵攻に沈黙するウクライナ代表元主将をサッカー協会が永久追放 コーチで雇用のロシア側は擁護

[ 2022年3月12日 13:19 ]

アナトリー・ティモシュチュク氏(ロイター)

 ウクライナ・サッカー協会は11日、元同国代表主将で144試合の代表最多出場を誇るアナトリー・ティモシュチュク氏(42)に事実上の永久追放処分を科した。

 侵略国であるロシアの1部ゼニトでコーチ職を続け、ロシア非難のメッセージを発信することもなく沈黙を続けているとし、同氏に対しては同協会の倫理委員会が「ウクライナ・サッカーのイメージを傷つけ、倫理とフェアプレー規定に反している」として処分を答申。協会側は懲罰委員会による審査でコーチ資格やシャフタル・ドネツクで活躍した現役時代の国内タイトルのはく奪を決めた。代表チームの選手登録から除外するとし、出場経歴が抹消されるとみられる。また、ウクライナ国内でのサッカーに関する活動を生涯禁じると発表した。

 地元メディアでは同氏の出身地であるウクライナ西部ルーツィクの市長は同氏から名誉市民の資格をはく奪することを決めたという。

 一方でゼニトは今回の決定を政治的なものとして批判。「サッカーは政治と切り離すべきで、政争の道具ではないことを思い出してほしい」とし、スポーツ仲裁裁判所(CAS)で不服を申し立てる方針を示した。ロシア侵攻に関して沈黙を守るティモシュチュク氏に関してはウクライナ国内や国外にいる同国関係者から非難の声が上がる一方で、ロシアのクラブが擁護に回る異例の構図になっている。

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2022年3月12日のニュース