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C大阪・大久保 日本協会トップにも…誰にも忖度しない姿勢が生んだJ1歴代最多得点

[ 2021年11月20日 05:30 ]

C大阪・大久保 今季限りで現役引退

C大阪・大久保
Photo By スポニチ

 【記者フリートーク】14年秋。都内で大久保と会食していると、偶然同じ店に居合わせた浦和の宇賀神が苦笑いを浮かべてあいさつに来た。「嘉人さん、あれはショックでしたよ」。直近の試合で宇賀神に削られた大久保が「お前誰やねん!浦和で1人だけ知らんわ!」と凄んだという。当時の浦和は阿部、鈴木らビッグネームぞろいで、宇賀神は地味な存在。大久保が「ホンマに知らんかったから」と返すと、宇賀神は「覚えてもらえるように頑張ります!」と応じた。

 ホンマに知らんかったから――。過去にも聞いた言葉だった。大久保は03年12月の韓国戦で2度警告を受け退場。日本協会の川淵キャプテンから注意されると「サッカーを知らない人に言われたくない」と報道陣の前で漏らした。64年東京五輪に出場し、日本代表の監督も務めた重鎮への暴言。数年後に真意を尋ねた時、例のフレーズが返ってきた。

 引退の一報を聞き、約半年ぶりに「お疲れさまでした」とメッセージを送ると、1分後に「ありがとうございました」と返信が来た。誰に対しても忖度(そんたく)せず、分け隔てなく接する姿勢が最大の魅力。選手やコーチ陣との衝突も多かったが、自分を曲げなかったからこそ積み上げられたJ1歴代最多得点だった。(05~18年日本代表担当、14年川崎F担当・木本 新也)

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2021年11月20日のニュース