×

【城彰二がオマーン戦分析】三笘のドリブルが日本を救ったが“武器”になるには周囲との連係強化急務

[ 2021年11月17日 19:21 ]

W杯アジア最終予選第6戦   日本1―0オマーン ( 2021年11月16日    オマーン・マスカット )

<日本・オマーン>後半、ドリブルをする三笘(中央)=撮影・小海途 良幹
Photo By スポニチ

 アウェーの2試合で勝ち点6を取れた。三笘のドリブルが日本を救ったといってもいいだろう。前半は日本が主導権を取っていたが、相手の守備を崩しきれなかった。後半から三笘が入ってドリブルで仕掛けて試合の流れを変えた。ドリブルで突破すると、相手のマークがずれて他の選手がフリーになる。そのために何度もいい形ができるようになり、相手が浮足立った。

 伊東がスペースを使ってスピードで抜くのに対して、三笘は相手と対峙(たいじ)して、間合いを取って相手の逆をつく。普通は体より少し前にボールを置いてドリブルするが、三笘は体の後ろにボールを置いて細かいタッチでドリブルする。体が先に行って、ボールが体を追いかけるような感じになる。メッシと同じように足に吸い付くようなドリブルなので、相手が飛び込めない。伊東のようなドリブルなら2人目がカバーすれば対処できるが、三笘のドリブルは何人行ってもかわされる。止めようとすると後半開始早々の場面のように、ファウルをするしかないので、DFが守り難くなる。

 ただ、それだけでは不十分で、周囲との連係が必要になる。ドリブル一辺倒では相手に研究されるので、時にはパスで崩したり、シュートを打てば相手もどう来るのか読みにくくなり、脅威を感じる。川崎Fでチームメートだった田中や守田とは合うが、FW大迫やDF長友らと合わないと監督も使いにくい。ここには世代によるサッカーの違いがあり、簡単には融合しない。さらに90分間を通してプレーするには守備なども求められる。欧州へ移籍して経験を積んで成長しているが、このあたりを身につければ、日本のいい武器になり、日本代表を変化させることができると思う。
(元日本代表FW)

続きを表示

この記事のフォト

2021年11月17日のニュース