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ブレーメン大迫 激動シーズン1部残留!運命の大一番、アウェーゴールで上回り“薄氷歓喜”

[ 2020年7月8日 05:30 ]

ドイツ1部2部入れ替え戦第2戦   ハイデンハイム2―2ブレーメン ( 2020年7月6日 )

<ハイデンハイム・ブレーメン>攻撃陣の軸として残留に貢献した大迫(右)
Photo By 共同

 ドイツ1、2部入れ替え戦の第2戦が6日に行われ、日本代表FW大迫勇也(30)が所属するブレーメン(1部16位)がハイデンハイム(2部3位)と2―2で引き分けて1部残留を決めた。0―0だった第1戦と合計2―2で並び、アウェーゴール数で上回った。先発した大迫は後半23分までプレーして無得点に終わったものの、攻撃の中心として奮闘。今季はドイツ1部6季目で自己最多の8得点を挙げるなど、40年ぶりの降格危機からチームを救った。

 後半23分にピッチを退いたFW大迫はスタンドの特設ベンチから立ち上がり、通路の手すりから身を乗り出すようにして試合の行方を見つめた。突き放しても追い付かれるブレーメンだったが、苦しんだ末に1部残留を告げる笛が鳴った。

 攻撃の軸としてチームを支えた日本代表FWは安どした様子で、コーフェルト監督らと抱擁。指揮官は「信じられないくらいのプレッシャーが私たち全員から消え去った。今年私たちが経験したことは5年分に相当する。このクソみたいなシーズンを申し訳なく思う。だが最後には1部リーグだ!」と興奮した様子で話した。

 公式戦8試合連続で先発した大迫は前線で自由に動いて攻撃に絡み、前半3分にオウンゴールによる先制点の起点となった。前半9分、36分にはパスで味方の惜しい決定機を演出し、後半5分、11分にはシュートを放った。無得点に終わったが、前線からのプレスを含めて攻守両面で献身性が光った。

 かつては奥寺康彦もプレーしたリーグ優勝4度を誇る名門を、40年ぶり2度目の降格危機から救った。大迫は開幕3節までに3得点と好調なスタートを切るも昨年9月に太腿を負傷し約1カ月半離脱。一時は200日以上無得点が続いたが、2月からはドイツ杯を含めて公式戦18試合連続出場とフル回転した。

 コロナ禍の中断期間中に「体幹トレーニングを毎日欠かさずやった。中断前よりも体の切れとコンディションが上がった」と話していた通り、リーグ終盤4試合で4得点の活躍で逆転残留に大きく貢献。特に自動降格圏の17位で迎えた最終節は古巣ケルンを相手に2得点1アシストの“半端ない”活躍で、入れ替え戦に回る16位浮上の原動力となった。

 《地元メディアは辛口評価》入れ替え戦2試合に先発した大迫について、7日付の地元メディアはやや辛口な評価を下した。ウェーザークーリア紙(電子版)は3(1が最高で6が最低)をつけ、「試合中に多くのボールコンタクトがあったが、今回は自ら危険なエリアに入っていくことは少なかった。後半5分に2―0となり得た良いチャンスを逃した」とした。

 ▼森保監督 ケガもあり難しいシーズンだったが、残留に向けた戦いの中で凄く大きな役割を担っていた。本来の前線ではない位置でも攻守に貢献し、存在感をチーム内外に示してくれた。

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