サッカー界で戦術に革命 「論より証拠」の情報分析ツール「ハドル」が浸透中

[ 2020年7月8日 06:00 ]

Hudl社の高林諒一氏
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 【スポーツ最前線 激アツ見聞録】恥ずかしながら、その存在を全く知らなかった。まだJリーグのクラブが活動休止中だった頃、あるチームのコーチが現在の取り組みについて聞かれ「ハドルを使って、オンラインで戦術の強化を図っている」と応えた。

 ハドル?はどる?

 アメフット用語では聞いたことがあったものの、ウェブで検索すると「Hudl(ハドル)」は情報分析ツールとのこと。運営するHudl社に取材を申し込むと、日本担当を務める高林諒一氏が快く応じてくれた。

 米国が発祥で、元々はアメフットのために作られたツール。情報、映像分析が他の競技にも広まり、アメフットだけでなくラグビーやバスケットボール、そしてサッカーでも普及が進んでいる。「Hudl」と、そのトップレベル版である「スポーツコード」はプレミアリーグやドイツ1部の全クラブが導入しており、今季のJリーグでは23クラブが活用しているという。

 では、このツールを使うことで何ができるのか。「特徴的なのは、リアルタイムで分析できること。試合中に映像を取り込みながら分析できます」と高林氏。スタンド上部に設置されたカメラで、全選手、そして相手選手の動きを細かくチェック。それをリアルタイムに取り込めることで、サッカーならハーフタイムにポイントとなる映像を見せ、選手たちに修正を促すことができる。口で言うだけより、映像を共有しながら話した方が明らかに説得力がある。

 また「分析の中身をカスタマイズできる」というのも特徴で、高林さんはひとつの例を挙げた。「サイド攻撃を主とするチームなら、クロスを何本上げられて、何本成功しているのか。右から、左から、誰が何本、その成功確率。狙いとする攻め方をできているかを分析するだけじゃなく、誰を使うか、選手個々へのフィードバックでも使えます」。リアルタイムの分析と同様に、より理論を伝えやすくなるといった利点は大きい。

 高林さんに今後の目標を聞くと「2つの方向があると思っています」と返ってきた。「ひとつは、プロに対して。世界でも普及しているものを提供して、世界と戦える環境作りのお手伝いをできれば。もうひとつが裾野を広げることで、アマチュアでも映像分析を普及させたい。そこまで値段が高いわけではないので、僕らでサポートをできたら」。Hudlの年間契約料は6万円~(税別)。現在は小中学校のクラブチームで使っているところもあるという。(サッカー担当・西海康平)

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