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静学6発大勝 キングの“DNA”井堀がハット!33年ぶり生観戦カズも躍進予感

[ 2020年1月1日 05:30 ]

第98回全国高校サッカー選手権1回戦   静岡学園6-0岡山学芸館 ( 2019年12月31日    駒沢 )

<静岡学園・岡山学芸館>カズ先輩!!見てくれましたか?前半34分、ゴールを決め、井堀(右)と抱き合って喜ぶ静岡学園・小山(撮影・吉田 剛)
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 優勝候補の一角、静岡学園(静岡)が岡山学芸館(岡山)を6―0で下し、快勝発進した。MF井堀二昭(3年)がハットトリックを決める活躍。偉大なる“先輩”FW三浦知良(52=横浜FC)が観戦する前で圧倒的な個人技を見せつけた。第74回大会(95年度)以来の優勝に向け、2日の2回戦は丸岡(福井)と激突する。

 不屈の「カズ魂」を受け継ぐV候補が怒とうのゴールラッシュを見せた。前半29分、MF井堀のFK弾が号砲だった。圧倒的な個人技をみせ、次々と相手陣内に攻め込む。井堀は後半11分までにハットトリックを達成。最後は後半アディショナルタイム、途中出場のMF草柳が6点目の一撃。王国の雄が圧勝で初戦を突破した。

 試合後に待っていたのはこれ以上ないご褒美だ。15歳で単身ブラジル留学するまで在学していた偉大なる先輩のカズがダンディーな革ジャン姿でロッカー室に現れ「素晴らしい試合を見せていただきました」と感謝された。鹿島入りが内定しているMF松村は「力になります!」。井堀は「オーラが凄かった」と興奮しきりだった。

 カズの高校サッカー観戦はテレビでゲスト解説した65回決勝の東海大一―国見戦以来33年ぶり。実は久々に見る“母校”にデジャビュ(既視感)を感じていた。「小4の時、静学が初出場した初戦も観戦していてその試合も6―0(対都城工)。有ケ谷二郎さんがハットトリックを決めてね。その年は決勝まで行ったんだ」。状況も内容も酷似。自然と43年前の進撃に重ねていた。

 カズが在学時に監督を務め、今もコーチの井田勝通氏は「無失点で良いスタートが切れた」。目標は鹿児島実と両校優勝となった95年度以来の頂点だ。3年生のMF藤井皓也の右足首骨折で出場機会を得た井堀の活躍はまさに底力の象徴。「今後も得点、アシストを狙いたい」と井堀。ちなみに43年前、カズが見たハットトリックの有ケ谷二郎は大会得点王に、チームも準Vに導いている。

 かつての「王国」静岡県勢も最近は4年連続で初戦敗退が続いた。そのうっ憤を晴らすような6発発進。「ボールの持ち方もいいし、静学らしい個人技もたくさん見られた。勉強になります!」とカズ。魂は注入された。偉大なる先輩のDNAを受け継ぐ静学が王国復権を予感させた。

 ◆井堀 二昭(いほり・かずあき)2001年(平13)4月16日生まれ、岡山県津山市 出身の18歳。Jフィールド津山―静岡学園。好きな選手は日本代表MF大島僚太(26=川崎F)。利き足は右。家族は両親、兄と弟。1メートル71、62キロ。血液型O。

 ▼岡山学芸館(岡山)高原良明監督 相手に余裕を与えてしまった。(静岡学園は)シュート精度が高く、個人技が凄かった。

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