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五輪サッカー金の年に!森保監督 世界一への挑戦「思い切ってプレーできる環境をつくりたい」

[ 2020年1月1日 05:34 ]

東京五輪マスコットを手に、笑顔を見せる森保監督(左)と高倉監督(撮影・会津 智海)
Photo By スポニチ

 男女ともに世界一へ。五輪イヤーの幕開けに際し、U―23日本代表を率いる男子の森保一監督(51)と女子の高倉麻子監督(51)がそれぞれインタビューに応じた。森保監督は、1968年メキシコ大会の銅メダルを超える史上最高成績の金メダル獲得を改めて目標として明言。18人を決める選考基準やオーバーエージ(OA)枠に求める資質も具体的に明かした。

 東京五輪を率いることが決まった時、森保監督が最初に調べたことがある。それはメダルを獲ったら、メキシコ五輪以来、何年ぶりになるのか。それは真っ先に52年ぶりの快挙への道筋を思い描いたことを物語る。17年10月に就任してから公言してきた金メダルという目標。目前になっても、ぶれはない。

 「東京五輪チームは、これまでも金メダルということを目標に活動してきている。限られた時間の中でベストなものをつくっていくことを共有しながら、前進していけたら」

 本番まで7カ月。選手の成長を見逃さないようにしながら“熟成”に取りかかる。

 「選手の発掘ということは大切なところになるが、基本的にはコアなチームづくりを進めていくという考えでいたい。段取りとしては五輪に向けての全体的な(OA枠も含めた)融合は6月にできるか、五輪の直前の事前(兵庫)キャンプからになるか」

 最大3人のOA枠を含めて構成する18人のメンバー。選定に際し基準としたい3つの条件を明言した。

 「金メダルを獲得するには、酷暑の中で6試合戦わなくてはいけない。(まずは)タフに本当に戦えるメンタルとフィジカルを持っている選手。(次に)登録メンバーが少ないことを考えると、複数のポジションをこなせる選手。もう一つ最後は、仲間のために、チームのために、日本のために、走って戦える犠牲心を持った選手」

 OA枠については、使用するかしないかを含めて熟考する構え。「OAも含めて最強のチームをつくっていく」とした上で、使用する場合に求めたい資質も明かした。

 「まずはトレーニングの時から全力で、意図を考え、効果を考え、試合の中でも背中でチームにいい影響を与えてくれる選手。日本のサッカーの歴史の継承や、本人が経験してきた厳しい経験や成功体験を含めて、若い選手たちに言葉でも伝えてくれる選手であれば」

 指揮官は現役時代、W杯初出場を目前で逃す「ドーハの悲劇」を味わった。苦い経験は、未来を担う世代の教え子を東京五輪のピッチに送り出す時の教訓へと変えていく。

 「自分自身、W杯に行くという夢は達成できなかった。極限のプレッシャーの中で、夢を目の前にした時に、夢をつかみかけた時に、少し消極的になったり守りに入ったりした。今の選手にはそういうことがないように、思い切ってプレーしてもらえるようにしたい。プレッシャーを少しでも軽減してあげたり、思い切ってクリアな思いでプレーできるよう環境づくりをしていきたい」

 ≪男子日本のライバルは≫東京五輪の男子サッカーは日本をのぞく15チームが6大陸から出場する。既に予選で出場チームが決定しているのが欧州(スペイン、ドイツ、フランス、ルーマニア)、アフリカ(エジプト、コートジボワール、南アフリカ)、オセアニア(ニュージーランド)だ。

 注目はスーパースターの出場が実現できるかどうか。中でもフランスの18年W杯優勝に貢献した21歳のエースFWエムバペ(パリSG)は「東京五輪に出たい」と熱望する発言を繰り返しており、今後所属クラブと話し合うという。またスペインのA代表主将を務める33歳DFセルヒオラモス(Rマドリード)もオーバーエージ枠で五輪出場を希望しており、ともに実現すれば森保ジャパンにとって脅威となる。

 残るアジア(3枠)、南米(2枠)、北中米カリブ海(2枠)は今年行われる。前回覇者ブラジルが予選を突破すれば、東京でFWビニシウス、FWロドリゴとMF久保建英の“Rマドリード対決”が実現する可能性が出てきそうだ。

 ◆森保 一(もりやす・はじめ)1968年(昭43)8月23日生まれ、長崎市出身の51歳。長崎日大高から広島の前身マツダに加入。現役時代は広島、京都、仙台でプレーし、04年1月に現役を引退した。U―20日本代表コーチ、広島コーチなどを経て、12年に広島監督に就任。J1リーグ3度の優勝に導く。17年10月に20年東京五輪を目指すU―21日本代表監督(当時)に就き、18年7月からA代表との兼任監督になった。

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