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高倉監督 五輪で新たな歴史刻む「新国立に行くと言い続けます」

[ 2020年1月1日 05:32 ]

笑顔を見せる高倉監督(撮影・会津 智海)
Photo By スポニチ

 男女ともに世界一へ。五輪イヤーの幕開けに際し、U―23日本代表を率いる男子の森保一監督(51)と女子の高倉麻子監督(51)がそれぞれインタビューに応じた。

 19年7月の女子W杯フランス大会。世界一奪還を目指したなでしこジャパンはベスト16で早々に散った。若きチーム、そして高倉監督にとっては受け入れ難い記憶。東京でのリベンジへ、何が必要か――。すぐに課題の洗い出しに着手した。

 「試合のことは振り返るし、ずっと頭の中にはあった。チームが大きく変わった中で自分なりのつくり方でつくったが、あと1個足りなかったのは事実。何を変えないで何を変えていかなければいけないかを考え抜いた」

 答えは出た。弱点克服を目指しつつも、技術に優れる日本人選手の強みは生かす。「守備では、強度と細部にわたってのポジショニングは確認しなければいけない。攻撃では、自分自身が発想して表現していくというのは簡単ではないが、それが日本人の良さでもあるのでチャレンジしたい。その上で、ある程度チームとしてよりどころとなるベースの形を提示していかなければいけない」。戦術のベースを底上げしつつ、特に攻撃においては独創的なアイデアを表現すること。それが再び頂点に立つための鍵となる。

 指揮官はW杯フランス大会のメンバーが、東京五輪でも中心を担うことを明言している。FW岩渕、MF長谷川らが悔しさを晴らし、新たな歴史を刻むと信じているからだ。

 「やはり優勝です。決勝まで行きたいし、新国立でやりたい。言霊という言葉があるが、やはり新国立に行くということを言い続けます」。新たな聖地で12年ロンドン五輪を超える最高の輝きをつかんだ時、なでしこの第2章が始まる。

 ≪なでしこジャパンのライバルは≫東京五輪の女子サッカーは12チームで争われる。すでに出場を決めているのは、開催国の日本と欧州予選を兼ねたW杯フランス大会で上位に入ったイングランド、オランダ、スウェーデン。そして、南米予選を突破したブラジルの5チームだ。

 W杯決勝トーナメント1回戦で日本を破り、準優勝に輝いたオランダは五輪でも躍進が予想される。若き点取り屋FWミーデマら個の能力にたけた選手が多く、攻撃力は世界屈指だ。また、16年リオデジャネイロ五輪は準々決勝敗退に終わった米国もリベンジを狙っている。W杯得点女王のFWラピノーは大舞台に強く、経験豊富なベテランがチームをけん引する。北中米カリブ海予選は1月末に開幕するが突破が確実視されている。

 ◇高倉 麻子(たかくら・あさこ)1968年(昭43)4月19日生まれ、福島市出身の51歳。福島成蹊女高(現福島成蹊高)から和光大を経て、現役時代は読売(現日テレ)などでプレー。11年に女性として3人目のJFA公認S級コーチライセンスを取得した。13年にU―16女子代表監督に就任し、14年U―17W杯優勝。16年4月にサッカー女子日本代表監督に就き、日本では男女A代表を通じて初の女性監督となった。

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