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クロアチア残った!GKスバシッチ神がかり PK3本ストップ

[ 2018年7月3日 05:30 ]

W杯決勝トーナメント1回戦   クロアチア1―1(PK)デンマーク ( 2018年7月1日    ニジニーノブゴロド )

神がかり的なPKセーブを見せたスバシッチ(AP)
Photo By AP

 クロアチアが98年大会以来20年ぶりにベスト8入りした。決勝トーナメント1回戦で1日、デンマークと対戦し、1―1のまま迎えたPK戦を3―2で制した。GKダニエル・スバシッチ(33=モナコ)がW杯史上2人目となるPK戦で3本を止める大活躍。7日の準々決勝では開催国ロシアと対戦する。

 ヒーローに手荒い祝福が待ち受けていた。試合後、GKスバシッチはDFビダに肩車され、熱狂するサポーターの前へ。そこで背中から落とされ、顔をしかめた。テレビインタビューの途中でもスタッフにちょっかいを出されたが、「タフな試合で勝利をもぎとった全員をほめたい。PK戦はくじみたいなものだけど、我々に運があった」とほほ笑んだ。

 W杯のPK戦史上初めて両軍GKが計5本を止めた激闘。「今季はPKをあまり止めていない」というスバシッチが上回った。1人目でデンマークの大黒柱・MFエリクセンのショットに反応。右へ動いて両手ではじきポストに当てると、4人目のMFシェーネは動きを読み、大きく右へ跳んで止めた。5人目は左へ動いてFWのN・ヨルゲンセンに真ん中に打たれたが、伸ばした右足でストップ。「運と経験と本能で止めた」。W杯のPK戦で3本止めたのは、06年大会イングランド戦のリカルド(ポルトガル)以来2人目。日付は7月1日で、ちょうど12年ぶりだった。

 12年に母国を離れ、当時フランス2部のモナコに加入。安定感ある守りと、FKでゴールを決めたこともあるキックで攻撃の起点にもなり、13年の1部昇格や16〜17年の17季ぶり1部優勝を支えた。代表は14年から正GKを務めるが、ユニホームの下には常にTシャツを身につける。出身地ザダルのクラブ時代の同僚で、08年の試合中にピッチ脇の壁に激突して亡くなったチュスティッチさん(享年24)の写真がプリントされたもの。「ずっとそばにいる」戦友の思いも受け継ぎ、ゴールマウスを守っている。

 過去最高の3位に入った98年大会以来の4強へ、準々決勝は勢いに乗るロシアが相手。「強い相手の地元での戦い。厳しい試合になる」。クロアチアの守護神は完全アウェーの覚悟を口にした。

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2018年7月3日のニュース