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さらばイニエスタ…スペイン代表引退表明 地元紙「一時代の終焉」

[ 2018年7月3日 05:30 ]

W杯決勝トーナメント1回戦   スペイン1―1(PK3―4)ロシア ( 2018年7月1日    モスクワ )

代表引退を表明したイニエスタ(AP)
Photo By AP

 スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(34=バルセロナ)が1日、代表引退を表明した。決勝トーナメント1回戦でロシアに1―1からのPK戦で3―4と敗れ、敗退決定後に意向を明かした。開催国ロシアは10年大会優勝のスペインから初勝利。旧ソ連時代の70年大会以来48年ぶりに8強入りした。

 ついにその瞬間がやってきた。圧倒的なボール保持で10年南アフリカ大会など数々のタイトルを獲得してサッカーシーンを席巻したスペイン。だが、この日は超守備的布陣の開催国を最後まで崩せず、決勝トーナメント1回戦で敗退した。試合後には黄金世代の象徴的存在だった34歳のイニエスタが「僕の代表での最後の試合となった」と代表引退を表明。一つの時代の終わりを告げた瞬間だった。

 W杯後に神戸入りするイニエスタは、10年大会はオランダとの決勝でW杯初優勝を引き寄せるゴールを決め、08、12年欧州選手権も制覇。バルセロナでも長きにわたり活躍し、まさにパスサッカーの申し子と言われた。国際Aマッチ出場は同国歴代4位の131試合。1次リーグで敗退した前回大会後には、同じく黄金世代の象徴だったMFシャビが惜しまれつつも代表のユニホームを脱いだが、今回はイニエスタの番となった。

 チームはこの日も74%と圧倒的なボール支配率を記録。パスは相手の5倍近い1114本で、うち成功は大会記録の1031本を数えた。1次リーグ全3試合に先発したイニエスタはこの日、後半22分から途中出場だったが、最後まで相手を崩せず、むしろパスを回させられた形。チームにとってもイニエスタにとっても皮肉な結末となった。

 31歳のDFピケらにも代表引退の可能性が報じられており、スペイン紙アスも1面で「一時代の終焉(しゅうえん)」と報じた。自身4度目のW杯はPK戦の末に敗退となったイニエスタは「最後は夢で描いた形ではなく、後味が悪い。とても困難な瞬間となった」と悔しがったが、「再び成功の道を見つけることが重要。容易ではないが、良いレベルの選手がいるので前進し続けなければならない」と後輩たちに再建を託した。

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2018年7月3日のニュース