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【川本治の視点】疎かになったカウンターへの準備…日本が8強の壁を破るために必要なこと

[ 2018年7月3日 08:15 ]

W杯決勝トーナメント1回戦   日本2―3ベルギー ( 2018年7月2日    ロストフナドヌー )

<ベルギー・日本>試合終了後、原口らの労をねぎらう西野監督(撮影・西海健太郎)
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 日本は世界ランク3位のベルギーに勝ってもおかしくない試合をした。前半を0―0で折り返し、後半の早い時間に先制したところまではプラン通りだったと思う。相手の特徴をインプットしてシュートを打たれた時には体を入れてブロックし、競り合った場面でのカバーもしっかりできていた。

 残念だったのは追いつかれる時間が早すぎたこと。1失点目は運がなかった。ゴールを決めたフェルトンゲンのヘディングは、狙って入ったのではなく折り返しのつもりだったはず。ただ、その前のプレーで気になるところがあった。川島がCKからつながれたボールをパンチングで弾き出そうとして中途半端に浮かせてしまった場面。結局そのボールが最後にフェルトンゲンのところに飛んでいくのだが、あそこはしっかりキャッチするか、もしくは大きくペナルティーエリアの外まで弾き出すべきだった。厳しいことを言うようだが、日本がベスト8、さらにその上を目指していくためには、そういう部分をもっとレベルアップする必要ある。

 もう一つ。終盤に勝ち越しのゴールを決められた場面も考えさせられた。本田が蹴ったCKをクルトワにキャッチされスローからカウンターを食らった。勝負にいって人数をゴール前にかけていた分、カウンターの備えが疎かになりゴール前の守りができていなかった。あそこで一呼吸置いて、カウンターがあると準備していれば、結果は違った可能性もある。悔いの残る展開になってしまった。

 ただ、今回のW杯で日本は選手全員が献身的なプレーで、チームとして素晴らしい戦い方ができることを世界に発信できた。あとは選手個々のプレーのクオリティーを高めていくことが求められる。大会前に指揮官が交代するアクシデントはあったが、監督からコーチまで日本人のオールジャパンで結果を残した。次の代表監督も日本人でいいと思うし、西野監督の続投でもまったく問題はないだろう。(元ジェフ市原強化部長)

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2018年7月3日のニュース