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岩本輝雄氏 監督交代の影響なし まるで決勝戦だったスペインVSポルトガル

[ 2018年6月16日 17:41 ]

前半4分、先制PKを決めて喜ぶV・ロナウド(AP)
Photo By AP

 4年に1度のお祭りは、派手な幕開けになりましたね。開幕直前に飛び込んできたスペインの監督交代という衝撃的なニュースに続いて、ホスト国のロシアは開幕戦でサウジアラビアに5―0の夢スコア。モロッコもイランに敗れたとはいえ攻撃的で見ごたえのある試合だったし、1次リーグ最大の注目カードだったポルトガル―スペインの“イベリアダービー”は激しい点の取り合いの末、ポルトガルのC・ロナウドがワールドカップ(W杯)史上最年長のハットトリック達成ですよ。ここまでの4試合、すべてリアルタイムで観戦しましたが、いや〜…もう最高ですね、W杯。完全に寝不足です。

 中でもポルトガル―スペインはちょっとレベルが違いました。試合の2日前に監督が代わったスペインはどうなるかと思いましたが、さすがにあのレベルになると関係ないというか、相手がどこだろうが、舞台がどこだろうが、監督が誰だろうが、選手がやるべきことを完全に理解してプレーできる。ロペテギ前監督は個人的に大好きな監督ですが、ロペテギ監督だったらおそらくディエゴコスタは先発していないでしょう。それが最後は彼1人でこじ開けてくれるわけですから。イニエスタは異次元。日本に来ちゃっていいの?って感じでした。

 C・ロナウドは得点王になるんじゃないでしょうか。欧州CLが終わって約1カ月。疲労も取れて体がすっかりいい状態に戻っていました。ドリブルはしなやかだし、スピードもある。3―3の引き分けに持ち込んだFKも、後半43分という時間であの弾道、あのスピードのFKを蹴ることができる。そんなこと、なかなかないと思います。1点目のPKもナチョのことをよく分かっているからこそ獲得できたもの。レベルとしてはこの試合が決勝戦みたいなものでした。日本時間では深夜から早朝にかけての試合でしたが、眠気なんて感じる暇もない最高の1戦でした。

 W杯は4年に1度だけに、本当に特別なものです。毎回思いますが、それぞれの国の特色、戦い方があって面白い。さあ、そして今夜はメッシ擁するアルゼンチンの初戦。そして、19日にはいよいよ日本代表の登場です。眠れない日々が続きます。(岩本輝雄=元日本代表MF)

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2018年6月16日のニュース