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ロシア“ケガの功名”5発!開催国の意地で歴史的な大勝快幕

[ 2018年6月16日 05:30 ]

W杯1次リーグA組   ロシア5―0サウジアラビア ( 2018年6月14日    モスクワ )

サウジアラビア戦、途中出場で2得点と大活躍のロシア代表チェリシェフ(AP)
Photo By AP

 4年に1度のサッカーの祭典は14日、ロシア―サウジアラビア戦で開幕した。出場国中最下位のFIFAランク70位と下馬評の低かった開催国ロシアは、MFデニス・チェリシェフ(27=ビリャレアル)、FWアルチョム・ジュバ(29=アルセナル)が開幕戦では史上初となる途中出場でのゴールを記録するなど、開幕戦史上2番目の大差となる5―0で圧勝。「史上最弱」との低評価を覆すべく力強い一歩を踏み出した。

 前半12分にガジンスキーが頭で大会1号弾を決めると、約8万人で埋まったスタジアムのボルテージは最高潮に達した。だが、この日のロシアはこれで終わらなかった。チェルチェソフ監督の交代策も次々に当たり5発快勝。これには、ここまで7戦勝ちなしで批判にさらされ続けてきた指揮官も「開幕戦という重圧の中で落ち着いて試合に臨み、ゴールを奪った選手らに感謝している」と思わず笑みをこぼした。

 まさに“ケガの功名”だった。前半24分、MFジャゴエフが左太腿裏を痛めて途中交代。思わぬ形で司令塔を失った指揮官だが、同タイプではなく、サイドアタッカーのチェリシェフを投入し、ショートパスをつなぐ中央突破からサイド主体の攻撃へ方針を転換。ピッチを大きく使ったことが奏功し、相手のマークの受け渡しを難しくした。

 左サイドを切り裂いたチェリシェフは1―0の同43分に貴重な追加点を決め、後半のアディショナルタイムには2点目を決めた。試合後にマン・オブ・ザ・マッチに選出され「W杯に出るだけで幸せなのに、こんなことが起こるとは思ってもいなかった」と信じられない様子。開幕戦で途中出場の選手がゴールを決めたのは、後半26分のFWジュバとともにこれが史上初で、思わぬ“おまけ”まで付いた。

 開催国で1次リーグ敗退したのは10年の南アフリカのみ。屈辱回避へ、“第一関門”を突破した。指揮官は「次のエジプト戦は違った試合になるので、慎重に準備を進めていく」と第2戦を見据えた。

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2018年6月16日のニュース