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香川がトップ下、本田政権交代も4年前の“教訓”慢心せず課題修正

[ 2018年6月14日 05:30 ]

W杯ロシア大会1次リーグH組   日本-コロンビア ( 2018年6月19日    サランスク )

カザンに到着した香川(撮影・小海途 良幹)
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 “政権交代”だ。日本代表は13日(日本時間同日)、W杯ロシア大会のベースキャンプ地カザンに向けて出発した。W杯開幕前最後の一戦となった12日(日本時間同日)の親善試合パラグアイ戦は、4―2で勝利。西野朗監督(63)就任後初勝利の中心にいたのは、8カ月ぶりに先発したMF香川真司(29=ドルトムント)だった。1得点2アシストの活躍。攻撃の核となり、本番直前で本田圭佑(32=パチューカ)とのトップ下争奪戦に“断”を下した。 日本代表メンバー  試合日程&結果

 パラグアイ戦の快勝から一夜明け、香川の表情はすっきりとしていた。髪も短くカット。自身のツイッターでは「まだ本番ではない。ここからが大事」と、本大会に向け引き締まる心境を言葉にした。周囲も29歳の変化を感じている。パラグアイ戦までは、ポジティブでいるようで笑顔がさえなかったという。一緒に宿舎のプールでクールダウンした、10年来の付き合いの長友は「普通の彼の笑顔が出ていた」と試合後の様子を明かした。

 8カ月ぶりに先発したパラグアイ戦で、香川は攻撃の中心に君臨した。攻撃では味方のために走り、スペースを空けた。守備では最前線から献身的にプレスをかけ続けた。1、2点目の乾の得点は、パスだけでなく守備を引きつける動きでもアシストしたもの。後半終了間際にはゴールも決めた。「監督も代わって、攻撃のベースが一つ、なかなかない中で、僕がそこにベースをつくり出していきたいなと凄く感じていた」。定位置争いに決着をつけた。

 W杯における、日本代表のトップ下。それは香川が求め続け、フラれ続けてきたポジションだった。10年南アフリカ大会は、23人から落選。14年ブラジル大会は、ザッケローニ監督の下で左MFを務めて無得点に終わった。今年2月には左足首を痛めて長期離脱。滑り込みで代表入りすると、今度は盟友・本田がその位置にいた。

 「90分通して自分はやり切ろうと思った。どんな状況であろうと」。パラグアイ戦で先発を得ると、プレッシャーに正面から向き合い、信じるものを貫いた。「ミスしてもトライし続ける姿勢を生み出すには、みんなのサポートがいる」。だからこそ自身も犠牲心を惜しまなかった。スイス戦同様に先制を許しても、90分間の結果は180度違った。

 8カ月ぶりの先発でトップ下の1番手に当確ランプをともした。それでも慢心はない。「(惨敗した)4年前もこういう親善試合を勝ち抜いて“やれる”っていうところ(空気)はあった。課題は必ずある。しっかりと修正していい準備をしたい」。トップ下の新君主の下、日本にスイッチが入った。

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