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【W杯1次L展望・A組】エジプトの命運握る、FWサラーの復帰

[ 2018年6月14日 10:30 ]

今月10日、最終合宿地のグロズヌイでファンの声援に応えるエジプトのサラー(右) (AP)
Photo By AP

 W杯1次リーグA組の開催国ロシアとサウジアラビアの開幕カードは、FIFAランクの今大会ワースト2チームの激突となる。大本命は強力2トップを擁するウルグアイ。ダークホースはエジプトで、負傷したエースFWモハメド・サラー(25=リバプール)の回復具合が2位争いの行方を大きく左右しそうだ。

 エジプトの命運はエースの双肩にかかっている。アフリカ最終予選最多タイ5得点の活躍で7大会ぶりの本大会出場の立役者となったFWサラーが、5月26日の欧州CL決勝Rマドリード戦で左肩を負傷。「ロシアに間に合う自信がある」と前向きで、同協会は3週間以内に復帰できると発表しているが、ケガから2週間と6日後にあたる15日の第1戦ウルグアイ戦に万全の状態で臨めるかは未知数。抜群のスピードと左足の決定力で今季プレミアリーグで32ゴールを挙げた得点王が復活しなければ、初の1次リーグ突破は厳しくなる。

 チームはクペル監督の下、堅守速攻を磨いてきた。アフリカ最終予選で複数失点した試合が一つもなかったように、長身DFヘガジを中心とした守りは大崩れしない。中盤では技巧に優れるエルネニがボールを落ち着かせ、前線に好パスを供給する。正GKは45歳のハダリ。最終予選は5試合でゴールを守った大ベテランが本番で出場すれば、大会最年長記録を塗り替える。

 <ウルグアイ>パリSGで今季28ゴールを挙げリーグ得点王に輝いたカバーニと、バルセロナで25ゴールのスアレスの2トップは大会屈指の破壊力。前回大会でかみつき事件を起こしたスアレスは「成熟したと思う」と汚名返上を狙う。Aマドリードで同僚のゴディン、ヒメネスを中心とする守備も堅く、1次L突破は盤石。ポルトガルかスペインとの対戦が濃厚な決勝トーナメント1回戦が上位進出への大一番となりそう。

 <ロシア>5月30日の強化試合でW杯に出場しないオーストリアに0―1で敗戦。下馬評は低いが、組み合わせには恵まれており、FIFAランク今大会最下位のサウジアラビアに開幕戦で勝って勢いをつけたい。大半が国内組で、主将のGKアキンフェーフを中心に粘り強く守る。FWスモロフは昨年同代表最多の5ゴールを挙げ「責任を担う準備はできている」。負傷欠場のFWココリンの穴を埋められるかが鍵。

 <サウジアラビア>3大会ぶりの本大会出場決定後に監督が2度交代。昨年11月に就任した前チリ代表のピッツィ監督は、4月25日から合宿を開始し「W杯まで約2カ月準備できる」と自信をのぞかせる。キーマンは昨年9月の日本戦で決勝点を挙げて予選突破に貢献した23歳MFムワラド。国の支援を受けてスペイン1部レバンテに期限付き移籍し、5月にリーグ戦出場を果たした経験を大舞台で生かせるか注目だ。

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2018年6月14日のニュース