またも頂点届かず…それでも“グッドルーザー”だったブッフォン

[ 2017年6月5日 10:45 ]

試合後、悔しさをこらえるユベントスのブッフォン(左)とキエッリーニ (AP)
Photo By AP

 レアル・マドリードが欧州チャンピオンズリーグで初の連覇を果たした3日の決勝戦。印象に残ったのは、2ゴールを挙げてマン・オブ・ザ・マッチに輝いたC・ロナウドの活躍よりも、敗者ユベントスのGKブッフォンの試合後の姿だった。

 一言で言えば“グッドルーザー”。39歳守護神は自身3度目、キャリア最後かもしれない決勝戦で悲願の欧州制覇にまたも手が届かなかった。それでも、悔しさを押し殺しながら毅然とした態度で勝者を称えた。その後、口元をおさえながら目を潤ませる姿を見て、こちらが泣きそうになった。

 先月、ブッフォンの信条が表れた言葉を聞いた。今季限りで引退したバイエルン・ミュンヘンの元ドイツ代表DFラームへの動画メッセージ。英語で「君に伝えたいことは、君との対戦できたこと本当に光栄だったということだ。なぜなら、君はとても果敢に戦いながらも、とてもフェアだったから」。クラブで代表で何度もしのぎを削ったライバルのスポーツマンシップを称えた。昨年11月の親善試合のイタリア―ドイツ戦。ドイツ国歌演奏中に一部観客からブーイングが起きると、ブッフォンは真っ先に拍手をしてブーイングを打ち消した。イタリアの主将とドイツの元主将。ともに一流の選手であると同時に一流の人格者として、互いに理解し、尊敬し合っていたのだと思う。

 決勝戦では“フェア”とはかけ離れた場面があった。レアル・マドリードが3―1とリードして迎えた後半38分、DFセルヒオ・ラモスが明らかに演技のような大げさな倒れ方で、接触した相手FWクアドラードを退場に追いやった。試合の行方には大きな影響は与えなかったかもしれないが、後味の悪さは残った。そんな相手主将とも、ブッフォンは抱き合って健闘をたたえ合った。

 アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の浦和―済州戦では乱闘があった。スポーツマンシップの大切さを改めて考えさせられた直後だっただけに、ブッフォンの態度は感動的だった。来年のW杯で引退を示唆しているレジェンドに、欧州制覇のチャンスが再び訪れることを心から願ってやまない。(大久保 尚文)

続きを表示

この記事のフォト

「サッカーコラム」特集記事

「メッシ」特集記事

2017年6月5日のニュース