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ブラッター会長急転辞任…ジーコ氏 後任選挙“立候補”へ意欲

[ 2015年6月4日 05:30 ]

記者会見で辞任を表明するFIFAのブラッター会長(AP)

 FIFA(国際サッカー連盟)のゼップ・ブラッター会長(79=スイス)が2日、スイスのチューリヒで緊急会見を開き、辞意を表明した。5月29日の会長選で5選を果たしたが、直前に発覚した汚職事件で責任を問う声が高まる中、わずか4日後に続投を断念した。後任の会長を選ぶFIFA臨時総会は12月から来年3月の間に行われる見通しで、元日本代表監督のジーコ氏(62)も立候補に意欲を示した。

 17年続いた長期政権は突然、終わりを迎えた。報道各社に緊急会見の案内があったのは開始予定の1時間半前。そこから45分遅れで登壇したブラッター会長は、後任を選ぶ臨時総会後に辞任すると表明した。「加盟協会の信任はあるが、サッカー界全体の支持は得られていないと感じている。抜本的な改革が必要だ。FIFAへの思いが、この決断に至らせた」。25人の記者を前にフランス語で淡々と読み上げ、質問は受け付けなかった。

 汚職事件で批判を浴びながらも会長選では5選を果たし、強気な姿勢を崩さなかった。4日間で態度を変えたのは、UEFAのW杯ボイコット示唆よりも、急激な捜査の進展が理由とする見方が強い。10年W杯南アフリカ大会招致をめぐる贈収賄疑惑で、側近のバルク事務局長が送金に関わった可能性が2日に浮上。米司法当局はブラッター会長を捜査対象に含めていると複数の米メディアが報じ、ニューヨーク・タイムズ紙は同会長の立件も視野に入れているとの当局者の話を伝えた。

 早ければ12月に誕生する次期会長には、FIFAの徹底的な改革が求められる。後任候補にUEFAのプラティニ会長らの名が挙がる中、立候補の検討を明かしたのがジーコ氏だ。自身のフェイスブックで「私は政治よりサッカーのことを優先して考える。まだ思いつきにすぎないが、道が開かれているなら立候補する」とコメント。母国ブラジルでスポーツ大臣を務め、鹿島などのクラブをサポートしてきたことも訴え「まだ支持はないが、日本には常に支持基盤がある」とつづった。

 同じく立候補に前向きな元FIFA副会長のチョン・モンジュン氏(韓国)が「ブラッター氏の支援を受けてきた人物は出馬を慎むべき」と話すように、次期トップに求められるのはクリーンさ。抜群の知名度を誇り、金銭にあまり執着しないジーコ氏が出馬すれば支持を集める可能性はある。

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