浦和 武藤劇的ドロー弾でV王手!J1新の14戦連続不敗を記録

[ 2015年6月4日 05:30 ]

柏戦の終了間際、同点ゴールを決め喜ぶ浦和・武藤(左)

J1第1S第10節 浦和3―3柏

(6月3日 柏)
 首位を独走する浦和が第1ステージ優勝に王手をかけた。柏戦で2度もリードを許しながら後半ロスタイムにMF武藤雄樹(26)が劇的な同点ゴールを決め、3―3のドローに持ち込んだ。武藤はこれで4戦連続ゴールとなり浦和史上、5人目8度目の快挙。浦和の開幕からの連続無敗記録はJ1新記録の14戦に伸びた。次節7日、ホームの清水戦で浦和が勝ち、G大阪が敗れれば、リーグ戦では1シーズン制だった06年以来、9年ぶりの優勝が決まる。
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 土壇場でドラマが待っていた。2―3で迎えた後半ロスタイム。MF武藤は右サイドでMF関根がボールを持った瞬間、前のスペースを見つけ、トップスピードに乗った。次の瞬間「当てるだけでいい、最高のボールが来た」。会心のヘッド弾が相手GKの脇をすり抜けた。負けない浦和を象徴する一撃。第1ステージ優勝に王手をかけた。

 「赤きレジェンド」への仲間入りだ。武藤の連続ゴールは4戦に伸びた。福田、エメルソン、田中達、ワシントンら一時代を築いた名FWに次ぐ浦和史上5人目の快挙。武藤は「レジェンドの方々は、それ以外にも貢献していたと思う。そういう意味で僕も貢献したい」と謙虚に笑うが、起死回生の同点弾は十分、レジェンド級の衝撃だった。

 昨季まで所属の仙台では4年間で6得点の伏兵が大変身した。武藤は「浦和のシャドーの動きを理解し、うまく(パスを)引き出せている」と分析する。堅守速攻の仙台とは違い、全員が連動してパスをつなぐ浦和。その1ピースとして開眼した。この日は2度もリードを許した。それでも武藤は「追いつける」と強気だった。

 後半23分には今季の浦和を象徴するゴールも生まれた。今季10戦以上出場しているフィールド選手で唯一、無得点だった日本代表DF槙野が右CKを頭で押し込んだ。どこからでも得点シーンを紡ぎ出せるのが今年のチーム。全32得点中16点が後半25分以降のもの。勝負強さも圧巻だ。

 昨季、リーグ終盤に失速。名古屋との最終戦で優勝を逃し、ピッチに突っ伏した。あの日、槙野は変わった。目に涙を浮かべながらそれでも「この光景は忘れない」と屈辱を胸に刻んだ。「昨年の最終戦の後、僕は仲良し集団じゃ駄目と言ったんです」。一切の妥協を捨て、今季は試合中も味方同士で怒声を飛ばし合うようになった。

 一方で新加入選手に気配りもした。2月の指宿合宿では武藤と同部屋で、武藤の髪の毛をカットしていじるなどチームに溶け込みやすくした。槙野自身も日本代表ハリルホジッチ監督の助言を受け進化した。攻より守を重視。同じ左サイドの宇賀神は「守備への戻りが早くなった」と言う。ここまで無得点だったのもむしろ成長の証だった。

 7日の清水戦で浦和が勝ち、G大阪が敗れれば、第1ステージ優勝が決まる。07年ACL制覇以来のタイトルだ。ただ、選手間では無敗記録も最速VのXデーも話題にすら上がらない。目の前の戦いだけに集中しているからだ。「欲しいのはタイトルだけ」と槙野は言った。次戦はホームの埼スタ。赤き歓喜の瞬間は、もう目前に迫っている。

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