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奇跡Vへ!浦和 情報シャットアウト「他の結果は知る必要ない」

[ 2014年12月6日 05:30 ]

練習で笑顔を見せる(左から)矢島、柏木、関根、槙野

J1第34節 浦和―名古屋

(12月6日 埼玉)
 8年ぶりのリーグ制覇を目指す2位浦和は6日、ホームで名古屋と運命の今季最終戦を行う。首位G大阪と勝ち点62で並びながら得失点差で7下回るため自力での優勝は厳しい。それでも、2位以下と勝ち点10差から2位に転落した07年の“世紀の失速”を喫した悲劇のチームが、今度は奇跡の主役になることを信じて一戦必勝を目指す。
【J1順位表】

 既に出来上がりつつある「G大阪優勝」の筋書きを変える。5日の最終調整を終えたペトロヴィッチ監督は「優勝の可能性がある限り、戦う。最後は勝利で終わりたい」と言い切った。優勝に王手をかけながら11月22日の2位G大阪との直接対決で敗れ、同29日の鳥栖戦も引き分けて2位に転落。それでも、つかみかけたタイトルを諦めるつもりはない。

 奇跡を起こすためにまずは名古屋戦での勝利が必要。目の前の戦いに集中するために他会場の情報をシャットアウトする。前節鳥栖戦のハーフタイムではG大阪がリードで折り返した結果を把握した選手と、していない選手に分かれた。戦い方への意識のずれが終盤の失点へとつながった。その反省を踏まえ、指揮官は「他会場の結果は知る必要はない。目の前の相手を倒すことをシンプルに考え勝つことに専念したい」と強調した。G大阪と得失点で7差あるが、1トップの李は「90分トータルで勝つことが大事。勝たないと何も始まらない」とチームでの勝利を優先するつもりだ。

 奇跡の逆転が起こり得ることは身をもって知っている。ACLを制覇した07年。最終戦に勝てば優勝という優位な状況にもかかわらず、最下位の横浜FCに敗れて2位に転落。鹿島の奇跡をお膳立てした。“世紀の失速”と呼ばれたV逸について「みんなでロッカーで話している」と森脇は言う。浦和が前半から優位な戦いをすることが、他会場のG大阪へプレッシャーをかけることになる。

 3月には差別的横断幕問題に端を発してJリーグ史上初の無観客試合を経験。6月にはエース原口がヘルタに移籍し、終盤には興梠が右腓骨(ひこつ)骨折、ベテランの鈴木が不整脈を発症するなど激動のシーズンだった。「厳しい時期を乗り越えての最終節。とにかく一丸となって戦って欲しい」と指揮官は訴える。G大阪、鹿島と三つ巴の優勝争い。最後まで白旗を上げるつもりはない。

 ▼07年浦和の失速 2位以下に最大勝ち点差10をつけて首位にいながらラスト5試合で3分け2敗と1勝もできずに2位に沈んだ。2位鹿島と勝ち点1差の首位で迎えた最終節では既にJ2降格が決まり20試合未勝利の最下位横浜FCにカズの左クロスからゴールを許して0―1で敗戦。鹿島が勝ったためリーグ連覇を逃した。この年はACL初制覇を成し遂げながらリーグ戦終盤の失速に優勝パレードを自粛した。

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2014年12月6日のニュース