切り札「3―4―3」254分で1得点 完成へ徹底指導急務

[ 2013年6月6日 11:12 ]

5月30日のブルガリア戦で「3―4―3」を試した日本代表

 ザックジャパンが4日のオーストラリア戦で、世界最速、5大会連続でのW杯出場を決めた。目標とする世界一へ向け、これまでの戦いを検証するとともに、1年後に迫った本大会での課題などを分析する。

 W杯出場を決めたザッケローニ監督は、今後の強化方針のひとつに「プレーのオプション増」を挙げた。それこそが代名詞ともなる「3―4―3」システム。アジアとは違って世界との戦いでは、必ずしも日本が優勢の試合になるとは限らない。指揮官は得点が欲しい時の切り札的な戦術と捉えているが、現状は未完成のまま。これまで5度実戦でテストしたが、通算254分間で1点しか挙げていないのが実情だ。

 結果は残せない中でも、遠藤が「徐々に形にはなりつつある」と指摘するように、1年後への期待感は抱かせている。前半のみ採用された5月30日のブルガリア戦。試合は0―2で敗れたものの、過去最高の機能を見せた。象徴的だったのは、相手の左MFにボールが入った場合。それまでは右MFの内田がマークしていたが、3バックの右に位置する吉田が積極的にマークする場面が何度もあった。吉田がボールを奪った場合に内田が高い位置を保っており、1列前の乾と速い攻撃を仕掛けられ、相手のサイドバックに対して「2対1」の数的有利をつくれる可能性が高まる。これこそが「サイド攻撃が有効」と言う指揮官の狙いだ。

 もちろん、まだ課題は多い。ブルガリア戦でも香川を中心にチャンスをつくったが、サイドからの厚みのある攻撃は少なく、得点も奪えなかった。1トップにはザッケローニ監督がセリエA時代に起用した元ドイツ代表FWビアホフのような、得点能力の高いストライカーの存在が不可欠。現状では本田が適任だが、ビアホフに近い長身FW、ハーフナーの成長も期待している。

 最も攻撃的なシステムである一方、守備でリスクを負う3―4―3。機能すれば武器となるが失敗すればダメージも大きい。W杯まであと1年。「残された時間は少ない。やるからには全選手が納得しないと」と言う指揮官には、状況に応じた事細かな指導が求められる。

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