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19歳・杉本、決めた!唯一の光明“18番目の男”

[ 2012年7月12日 06:00 ]

<日本・ニュージーランド>後半、先制ゴールを決める杉本

キリンチャレンジカップ 日本五輪代表1-1ニュージーランド五輪代表

(7月11日 国立)
 ロンドン五輪男子代表は11日、国立競技場で壮行試合ニュージーランド戦を行い、1―1の引き分けに終わった。後半26分に途中出場のFW杉本健勇(19=J2東京V)のゴールで先制。しかし、終了間際に自陣深くのミスから失点。試合後のセレモニーで関塚隆監督(51)の決意表明中にブーイングが起こるなど壮行試合としては異例の雰囲気に包まれた。

 勝ち切れなかった試合にあって、唯一の光明が杉本だった。0-0の後半10分、MF東に代わって最年少の19歳が登場すると、同26分に見せ場は訪れた。DF徳永のミドルシュートを相手GKがはじくと、こぼれ球にいち早く反応。「とっくん(徳永)が持った時点でこぼれてくる感覚があった」。右足で冷静に押し込んだ先制弾が、自身の関塚ジャパン初ゴールとなった。

 2日の五輪代表メンバー発表。最後の最後、18番目に名前を呼ばれたのがこの大型FWだった。3月末にC大阪から期限付き移籍で加入したJ2東京Vでは17試合4得点の数字を残しているが、関塚ジャパンでは2試合0得点。当日は練習が休みで、ゆっくりしていた自宅で朗報を聞いた時には「びっくりした」と正直に振り返る。

 だが、C大阪時代の盟友・清武から“いの一番”に国際電話を受け「一緒に頑張ろう」と誓い合うと代表としての自覚が芽生えた。最終予選6試合中4試合に先発した大迫(鹿島)を押しのけての代表入り。“サプライズ選出”と話題になったが「サプライズ、サプライズと言われてるけど、俺はそうは思っていない」と言うように、ゴールで雑音を封じ込めた。

 C大阪時代から高さと足元の確かな技術には定評があった。東京V・川勝良一監督(54)の厳しい指導を受けたことで、課題だった運動量が改善され、がむしゃらさも出てくるようになった。成長は関塚監督も感じており「もっとできるプレーヤーだけど、点を取って結果を残してくれた」と評価した。

 それでも、杉本に満足感はない。「もっと積極的にシュートを打っていかないといけない。スペイン戦に万全な状態で臨めるよう準備していきたい」。ここからさらに調子を上げれば、1トップとして先発に名を連ねる可能性もあり得る。滑り込みで五輪行きを決めた19歳は、本大会でラッキーボーイになりそうな雰囲気を醸し出している。

 ◆杉本 健勇(すぎもと・けんゆう)1992年(平4)11月18日、大阪市生まれの19歳。10年7月に17歳でC大阪とプロ契約。11年7月に清水戦でデビュー、同年8月に横浜戦で初ゴール。3月にJ2東京Vに期限付き移籍し17試合4得点。J1通算15試合2得点。家族は両親と弟。利き足は右。1メートル87、79キロ。

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