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永里改め大儀見“デビュー”弾!夫の前で4戦連発

[ 2012年7月12日 06:00 ]

<日本・オーストラリア>前半ロスタイム、ゴールを決める大儀見

キリンチャレンジカップ 日本3―0オーストラリア

(7月11日 国立)
 聖地・国立が大儀見コールに包まれた。「楽しんでこい」と送り出してくれたメンタルトレーニングアドバイザーの夫・浩介さん(33)の目の前で大儀見第1号ゴールを叩き込んだ。

 1点リードで迎えた前半ロスタイム、右サイドの近賀からの低いクロスに見事に反応した。滑り込みながら左足を目いっぱい伸ばすと、ボールは相手GKの脇をすり抜けた。「あそこにいれば点を取れると思った。大儀見コールは新鮮でしたね。一番喜んでいたのは旦那じゃないですか」

 昨年7月に結婚。6月のスウェーデン遠征までは旧姓・永里の登録名でプレーしたが、五輪代表選出を機に変更。この日、大儀見優季の“デビュー戦”を迎えた。永里の名前で積み上げたゴール数はなでしこジャパン歴代3位の37。前日の「新しい名前でもゴールを狙う」との宣言通り、その数字を38に伸ばした。

 04年4月22日のアテネ五輪アジア最終予選タイ戦で、16歳でA代表デビューを果たした天才ストライカーも昨年は苦悩の日々を送った。W杯はわずか1得点で、準決勝と決勝はスタメン落ち。9月の五輪アジア最終予選でも5試合に出場しながら無得点に終わった。

 「W杯後は味方に合わせるプレースタイルを徹底した。そうしないと信頼は得られないと感じたから。それがあったからこそ、今は自分に合わせてくれる」。前線からの守備とポストプレーを意識することで、より得点感覚が研ぎ澄まされ、万能FWへと変貌を遂げた。

 今年は国際Aマッチ全8試合に出場し、計5得点。この日のゴールで自身3度目となる、なでしこジャパン歴代最多タイの4試合連続得点。過去に高倉麻子、沢穂希もマークしているが、ともに一度だけ。すでに偉大な先輩たちを超えているが19日の親善試合フランス戦で前人未到の5試合連続得点に挑む。「その記録をつくることは自分に対するチャレンジ。壁を越えたい」。日本女子サッカーの歴史に、変わったばかりの「大儀見」の名を刻む。

 ≪単独3位の通算38得点≫大儀見が4月5日のブラジル戦から国際Aマッチ4試合連続ゴール。4試合連続は05、08年に次いで自身3度目。過去に93年高倉麻子、03年沢穂希が記録していて歴代5度目。次戦(19日)フランス戦で5試合連続の最多記録に3度目の挑戦となる。また歴代通算得点は単独3位の38得点、佐々木監督就任後は通算19得点で、最多のFW大野(20得点)にあと1点に。

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