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大会タイ9発!大迫勇、決勝で新記録を

[ 2009年1月11日 06:00 ]

<前橋育英・鹿児島城西>前半43分、大会通算タイ記録となる9点目のゴールを決めた鹿児島城西・大迫勇也は笑顔でガッツポーズ

 第87回全国高校サッカー選手権準決勝2試合が埼玉スタジアムで行われ、鹿児島城西(鹿児島)が前橋育英(群馬)に5―3で逆転勝ちし、初の決勝進出を果たした。注目のFW大迫勇也(3年)は2―3の前半43分に同点ゴールを決め、5試合連続の今大会通算9得点で個人最多得点記録に並んだ。広島皆実(広島)は1―0で鹿島学園(茨城)を破り、同校としては初、広島県勢としては40大会ぶりの決勝進出。決勝は12日に国立競技場で行われる。

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 大きなどよめきとともに、快挙達成の瞬間がやってきた。超高校級FW大迫勇が実力の片りんを見せつけたのは、前半43分だ。DF松井からの左クロスに鋭く反応。届くかどうか微妙な距離のボールを、スライディングで右足を投げ出してゴール左に流し込んだ。

 「(松井)駿佑がいいボールをくれたので決めるだけだった。きょうは全体的に動きが悪かったので、少しでも貢献できて良かった」。貴重な同点弾は大迫勇が「テレビで見ていた」という03年度の平山(国見、現FC東京)らに並ぶ最多記録の大会9得点目だった。

 エースのゴールで勢いづいたチームは前半ロスタイム、相手GKのオウンゴールで逆転。準々決勝までは40分ハーフだったが、準決勝からは45分ハーフで、40分以降の5分間で2得点を叩き出した鹿児島城西にルールも味方した。後半28分にはDF成元がダメ押し点を決め、打ち合いとなった試合にケリをつけた。

 昨年9月。全日本ユース準々決勝の浦和ユース戦での敗戦が大迫勇を変えた。周囲との連係がうまくいかず0―3で敗れた。「1対1では(局面を)打開できたけど、フォローがなかった」と個の力だけでは得点を奪えないことを痛感した。選手権に向け、2トップを組むFW野村と話し合いを重ねて周囲との連係を強化。前半1分の右CKからの野村の先制点も、大迫勇が中央で相手DFを引きつけ、ファーサイドにスペースができたために生まれた。逆転を許してからはパスをもらえずに前線で孤立したものの、前半30分以降は中盤まで下がってボールを受け、攻撃にリズムを生み出した。

 チームは今大会通算27得点。81年度の帝京の24得点を抜き、首都圏開催となった76年度以降の大会新記録となった。決勝では初優勝とともに大会史上初の2ケタ得点に期待が集まる。「国立はテレビでしか見たことのない舞台。自分が点を取ることが歴史になる」。超高校級FWの伝説は国立で完成する。

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2009年1月11日のニュース