藤井正弘の血統トピック

エピファネイアに“和製ガリレオ”の可能性

[ 2019年7月11日 05:30 ]

 2010年生まれ 鹿毛 安平産 父シンボリクリスエス、母シーザリオ(母の父スペシャルウィーク)日本、香港、UAEで14戦6勝 主な勝ち鞍はジャパンC、菊花賞、神戸新聞杯 2歳産駒157頭。

 “日米オークス制覇”のシーザリオが母として送り出した初めての大物。3冠最終戦の菊花賞を完勝して2着惜敗が続いた春の2冠の雪辱を果たした。4歳時は香港遠征を含む2000メートル路線で結果が出なかったが、スミヨン騎手とのコンビで臨んだジャパンCを良馬場におけるレース史上最大着差の4馬身差で大勝。14年の世界ランキングではジャスタウェイの130ポンドに次ぐ129ポンドの評価を得て、芝Lコラムのトップにランクされた。このレーティングは東京芝2400メートルでのパフォーマンスに与えられた歴代最高値でもある。5歳春に挑んだドバイワールドCは初のダートで砂をかぶって戦意喪失の大敗。結果的に現役最終戦となった。

 近年、ダートに軸足を移している父シンボリクリスエスにとっては恐らく芝部門の最高傑作。母のシーザリオは本馬の後に15年の2歳王者リオンディーズ、今年の皐月賞馬サートゥルナーリアとG1ウイナーを連発しており、競走能力と繁殖能力を連動させた歴史的名牝といえる存在だ。この母の示した遺伝力は種牡馬としての大きな財産。血統的なシチュエーションからは“和製ガリレオ”となる可能性も見込めるだろう。
(サラブレッド血統センター)

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