藤井正弘の血統トピック

注目フランケル産駒の中でも唯一無二の存在

[ 2017年10月5日 05:30 ]

 JRA・G1シリーズ中休みの今週は“スーパーG2”毎日王冠。2頭のダービー馬を含むG1馬5頭がエントリーしてきたが、中でも注目されるのが異世代との初顔合わせとなるソウルスターリングの走りだ。

 オークスのソウルスターリングの勝ちタイム2分24秒1は、翌週のダービーのレイデオロの2分26秒9より2秒8も速かった。グレード制導入以降、同じ良馬場で争われた牡牝の2冠目において時計的な“逆転現象”を引き起こした牝馬は1995年ダンスパートナー、2012年ジェンティルドンナに次いで3頭目。競馬はタイムトライアルではないが、先例に照らせば、額面通りに性差を超えたG1級である可能性大だろう。

 依然としてソウルスターリングが唯一のG1勝ち産駒となっている種牡馬フランケルだが、英ダービー3着のクラックスマン、同4着のエミネントがそれぞれG2に優勝し、来シーズンの飛躍を予感させた。フランケル3歳世代は全体的に牝馬が2歳戦でピークを迎える早熟型、牡馬はクラシック戦線で調子を上げてくるスロースターターという傾向が顕著で、その点においてもソウルスターリングは特別な存在であることが分かる。

 凱旋門賞では3歳牝馬エネイブルが圧倒的な強さを見せつけた。日本の女帝候補にも順調なリスタートを期待したい。(サラブレッド血統センター)

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