藤井正弘の血統トピック

母系の“鮮度”高いダート適性デニム

[ 2017年2月15日 05:30 ]

 今年のフェブラリーSには連覇を狙うモーニン、そのモーニンに3連覇を阻止されたコパノリッキー以下、前2年の1〜3着馬6頭が網羅されている。対する新興勢力も前哨戦の根岸Sで鬼脚を使ったカフジテイクを筆頭に相応の分厚さだが、ある意味で最も“鮮度”が高いと言えるのが7歳牝馬デニムアンドルビー。デビュー21戦目にして初のダート出走である。

 ダート出走経験がなかった馬のフェブラリーS累計成績は【0・0・1・15】。最も近いところでは4年前に1番人気で15着に沈んだカレンブラックヒルがこれに該当しており、芝コースでの実績が全く当てにならないレースであることは当時も記事にした。13年ジャパンCの同タイム2着をはじめ、牡牝混合G1で好勝負を続けてきた今回のデニムアンドルビーも経験則的に苦戦は免れないのだが、血統面にはひょっとしたら、と思わせる部分がある。

 前出データの中で最高着順となる3着を記録したのは01年のトゥザヴィクトリー。デニムアンドルビーは同馬の10歳違いの半妹ベネンシアドールの娘で、フェブラリーS史上唯一のコンバート成功例のめいにあたるのである。母の父キングカメハメハは過去6年でダート限定リーディング首位4回の実績を誇る当代随一のダートサイヤー。ディープインパクト産駒のダートグレード勝ちは11年レパードSのボレアスが今のところ最初で最後だが、母系の血脈に潜むダート適性に懸けてみる手もありそうだ。(サラブレッド血統センター)

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