山田、感謝の再出発 距離誤認騎乗停止から今週中山で復帰

[ 2019年1月11日 05:30 ]

騎乗停止処分が明けレースに復帰する山田(撮影・村上 大輔)
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 JRA史上初の距離誤認で3カ月の騎乗停止処分を受けた山田敬士(21、美浦・小桧山)が14日から復帰。山田は再出発に向けて新たな決意を語った。

 JRA史上初の距離誤認で3カ月の騎乗停止処分を受けた山田敬士(21、美浦・小桧山)が3日間開催の最終日となる14日中山から復帰する。10日の調教を終えた山田は「乗れなかった期間はハングリーな状態。馬に乗りたかったという気持ちを一鞍一鞍で見せたい」と決意を語った。

 レースから離れた3カ月間。初心に帰り真摯(しんし)に競馬と向き合った。トレセン開門からラストまで毎日休まず稽古に騎乗。「小桧山先生はもちろん、青木先生、高市先生など周囲のサポートに助けられ、稽古でたくさん乗せてもらった。本当にありがたかった」と何度も感謝の言葉を口にした。「攻め馬には一番乗った。攻め馬リーディングが獲れたんじゃないかな」と恐縮しながら、はにかんだ。

 騎乗停止期間中に届いた一通の手紙が気落ちした21歳を救った。「頑張ってください。応援しています」と書かれた励ましの内容。差出人は小3の女の子だった。騎手になって初めて手にした激励のファンレターに山田は胸を打たれた。お守りのように毎日持ち歩き「(今週の)競馬場にも持っていきます」。応援してくれるファンの気持ちを胸に刻み、再出発への活力にした。

 14日中山の復帰戦は4鞍の騎乗依頼を受けた。3Rのペイシャラトゥールは、距離誤認で手綱を握ったペイシャエリートと同じ北所直人オーナーの所有馬。信頼回復を誓う昨年3月デビューのルーキーは「復帰戦に馬を用意していただき本当にありがたい。結果を出して恩返しするしかない。勝つことがファンへの恩返しにもなる」。支えてくれた調教師、ファン、オーナーのために…。山田は感謝の気持ちを込めて再起の一歩を踏み出す。(小野 祐一)

 ▽山田騎手の競走距離誤認 昨年10月13日の新潟6R(ダート2500メートル)。同レースはゴール板の対面にあたる2コーナーすぎの向正面からスタートし、約1周半するコース設定。2番人気ペイシャエリートに騎乗した山田は、先頭で迎えた1周目の直線入り口からムチを入れ、ゴール板通過時にレース終了と勘違い。馬を外めに誘導して減速した。その後、向正面からレースに再合流したが、勝ち馬から4秒8差離された最下位12着に終わった。翌14日から騎乗停止。11月の裁定委員会で3カ月の騎乗停止処分が決まった。

 ◆山田 敬士(やまだ・けいし)1997年(平9)9月18日生まれ、東京都出身の21歳。小桧山悟厩舎所属。3度目の受験でJRA競馬学校に合格し、18年3月3日の中山1Rバロンボーテで初騎乗。同4月14日の福島6Rイペルラーニオで初勝利。デビュー年は292戦7勝。1メートル55、45キロ。血液型O。目標とする騎手は武豊。趣味はウインドーショッピング。

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