【秋華賞】軽やかカンタービレ 先輩牝馬相手に余裕の併入

[ 2018年10月12日 05:30 ]

<秋華賞>CWコースで追い切るカンタービレ(手前)(撮影・平嶋 理子)
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 牝馬3冠最終章「第23回秋華賞」(14日、京都)の木曜追いが11日、栗東トレセンで行われた。前哨戦のローズSを完勝したカンタービレは、余裕たっぷりの動きで好調をアピール。幼さを残した春から大きく成長し、ラスト1冠に懸ける。出走18頭も確定。オスカールビー、ゴージャスランチ、サトノガーネット、ダンサールが8分の4の抽選を突破した。12日に枠順が確定する。

 音楽用語で「歌うように」の意味を持つカンタービレ。最終追いはその名の通り、終始軽やかなフットワーク。重賞(中山牝馬S)ウイナーの6歳トーセンビクトリーを相手に、CWコースで併せ馬。序盤は静かに3馬身後方から追走。差を詰めたコーナーでは内めを回って馬体を離し、一拍置いて直線へ。ラスト1Fで併走に持ち込むと、手応えの差は歴然。しっかり追われた先輩馬に対し、鼻歌交じりの余裕の走りで併入に持ち込んだ。

 「先週追って中身はできているので、今日はサラッと感触を確かめる程度。ムキになって追いかけることもなかったし、並んでからもしっかり走れていた。これならレースでも落ち着いて走れそう」。リズム良くまとめた最終追いに辻野助手も満足顔。G1初挑戦だったオークスでは13着に惨敗したが、夏を越して心身共に充実。「子供っぽい体つきが、随分と大人びた。一生懸命に走り過ぎる気性だったが、オンとオフの切り替えも身につけた。大人の女性になりました」と評価する。

 ひと夏の成長を見せつけたのが、前走のローズS。好位4番手の外から進出し4角で先頭。そこから3F33秒6の上がりで後続を完封した。「外枠(13番)で前に壁をつくれなかったが、終始落ち着いてスムーズな競馬。機動力が持ち味だが、さらに瞬発力も見せてくれた。春の実績馬との差は確実に詰まっている印象を受けた」と辻野助手。その手綱を取り、今回はアーモンドアイで受けて立つルメールも「秋を迎えて強くなった馬がいる」と、一目置く存在だ。

 ルメールに代わり、新たにコンビを組むのはJRA通算4000勝を達成した武豊。辻野助手も「あれだけのジョッキーに何も言うことはない。全てお任せ。2冠馬を負かす競馬を見たい」と期待する。完勝の前哨戦を含めリハーサルは完璧。さあ本番。秋華賞3勝を誇る名手のタクトで奏でるのは、3冠阻止、逆転戴冠の凱歌か。

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2018年10月12日のニュース